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従業員の自転車利用、会社のルールは大丈夫ですか?

2026年5月8日

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従業員の自転車利用、会社のルールは大丈夫ですか?

~規制強化を踏まえた見直しポイント~

 

令和8年4月から自転車に関する規制や取締りが強化され、ニュース等でも取り上げられる機会が増えています。こうした中、従業員の通勤や業務における自転車利用についても、改めて見直しが求められています。一見すると個人の問題と思われがちな自転車の利用ですが、実は企業にとっても無関係ではありません。むしろ、適切に管理されていない場合には、思わぬ労務リスクにつながる可能性があります。

 

 

■よくある放置状態

 

実務上、次のようなケースは少なくありません。

・自転車通勤の申請制度がない。

・自転車利用ルールを特に定めていない。

・ヘルメット着用が各自の判断に任されている。

・自転車保険の加入状況、保障の内容を確認していない。

・事故発生時の報告ルールが未整備

 

こうした状態でも日常業務は回ってしまうため、見直しが後回しになりがちです。

しかし、この「放置」が後のトラブルにつながるおそれがあります。

 

 

■企業が負う可能性のあるリスク・対応事項

 

①使用者責任(業務中の事故)

従業員が業務中に自転車事故を起こし、第三者に損害を与えた場合、会社が損害賠償責任を問われる可能性があります。自転車事故であっても高額賠償となるケースは少なくありません。なお、原則として通勤中の事故については直ちに使用者責任が認められるものではありませんが、業務との関連性が認められる場合など、個別の事情によっては責任が問われる可能性もあります。

 

②労災対応(通勤・業務)

一般的には通勤中の事故は通勤災害として、業務での移動中であれば業務災害として労災の対象となります。会社としては、事故発生時の手続対応や状況把握など、一定の実務対応が求められます。

 

③安全配慮義務

会社には従業員の安全に配慮する義務があります。

自転車通勤を認めているにもかかわらず、必要なルール整備や指導が行われていない場合には、事故時に問題となる可能性があります。

 

④懲戒・指導の難しさ

ルールが整備されていない場合、危険な運転や重大な違反があっても、会社として適切な指導や懲戒を行うことが難しくなります。

 

 

■今すぐ見直したい実務対応

 

①自転車通勤の許可制

自転車通勤については、届出制または許可制とし、会社が利用状況を把握できるようにします。

 

②自転車利用ルールの明確化

基本的な交通ルール順守の徹底、危険行為の禁止、自転車の整備や定期点検の義務等を明確にし、周知します。

 

③ヘルメット着用の方針

努力義務とされている中でも、会社としての方針(推奨・義務化等)を示しておくことは、安全配慮の観点からも望まれます。

 

④自転車保険の加入確認・保障内容の確認

万一の事故に備え、個人賠償責任保険等への加入状況、およびその保障範囲、保障金額等、十分な補償内容になっているかを確認しておくことが重要です。過去の高額賠償事例の賠償額は、数千万から1億円近くに及んでいます。

 

⑤事故発生時の報告ルール

事故が発生した場合の報告経路・報告内容・報告期限等を明確にしておくことで、初動対応がスムーズになります。

 

⑥会社保有自転車の管理

会社が保有する自転車を業務に使用する場合は、利用者・利用目的・行先等を把握できるよう、届出や記録の仕組みを設けておくことが望まれます。あわせて、私的利用の禁止についても明確にしておくべきでしょう。

 

⑦就業規則等への反映

上記①~⑥の自転車利用に関する事項を、就業規則等に規定することで、ルールの根拠を明確にします。

 

⑧従業員への周知・教育

道路交通法改正に伴い改めて交通ルールに関する勉強会を実施したり、ポスターで周知する等、自転車の事故が、第三者や会社にもたらす重大な影響等を理解させ、事故を未然に防ぐための責任と自覚を促すことが重要です。

 

 

■まとめ

 

自転車は手軽な移動手段ですが、企業にとってはリスクになり得る側面があるため、労務管理の対象として適切に取り扱う必要があります。自動車に関しては管理をしているが自転車までは手が回っていないというケースもあるのではないかと思います。

特に自転車の規制強化が進む中では、従来よりも一層注意し、ルールや管理体制を見直すことが重要です。大きな事故やトラブルにつながる前に、自社の運用を一度確認してみてはいかがでしょうか。

 

(参考)

自転車事故と保険|日本損害保険協会

自転車の交通反則通告制度(青切符)の導入 警視庁

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