みなと横浜中央社会保険労務士法人

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  • 労働保険の年度更新

    2026年6月16日

    お役立ち情報

    継続事業の労働保険の年度更新& 賃金集計のポイント

    〜スムーズな申告のための基礎知識〜

  • カスハラと求職者等へのセクハラ対策義務化

    2026年9月2日

    お役立ち情報

    2026年10月1日から「カスタマーハラスメント」と

    「求職者等へのセクシュアルハラスメント」対策が義務化されます。

     

    2026年10月1日から、すべての事業主に対し、次のハラスメントを防止するための措置が義務づけられます。

    ・カスタマーハラスメント
    ・求職者等に対するセクシュアルハラスメント

    なお、企業規模や業種による適用除外はありません。

     

    1、カスタマーハラスメント、求職者等に対するセクシュアルハラスメントとは?

     

    ■カスタマーハラスメントとは、顧客や取引先等の言動が、社会通念上許容される範囲を超え、労働者の就業環境を害するものをいいます。正当な苦情や通常の意見まで、すべてがカスタマーハラスメントに該当するわけではありません。

    求職者等に対するセクシュアルハラスメントとは、採用面接、就職活動、インターンシップなどの場面で、求職者に対し性的な言動を行い、就職活動等を妨げることをいいます。

     

    事業主には、方針の明確化、相談窓口の整備、相談への適切な対応、相談者のプライバシー保護、相談したことを理由とする不利益な取り扱いの禁止等が求められます。

    またこれらの内容を従業員に周知し、ハラスメントを防止するための研修や情報提供を行うことも重要です。どのような行為が問題となるのか、問題が起きた場合に誰へ報告するのか等、対応方法を具体的に伝えておきましょう。

     

    2、事業主が講ずべき措置(義務)とは?

     

    ■カスタマーハラスメント防止のために講ずべき措置(義務)

     

    (1)事業主の方針の明確化及び周知・啓発

    ①カスタマーハラスメントには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針を明確化して労働者に周知・啓発する。

    ②カスタマーハラスメントの内容及びあらかじめ定めた対処の内容(対応方法、連絡経路等)を労働者に周知。

     

    (2)相談体制の整備

    ③相談窓口を設置し、労働者に周知する。

    ④相談担当者が、適切に対応できるようにする。

     

    (3)事後の迅速かつ適切な対応

    ⑤事実関係を迅速かつ正確に確認する。

    ⑥被害者に対する配慮のための措置を適正に行う。

    ⑦再発防止に向けた措置を講ずる。

     

    (4)対応の実効性を確保するために必要なカスタマーハラスメントの抑止のための措置

    ⑧特に悪質なカスタマーハラスメントへの対処方針をあらかじめ定め、労働者に周知し対処を行うことができる体制を整備する。

     

    (5)併せて講ずべき措置

    ⑨相談者のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ労働者に周知する。

    ⑩相談したことや調査に協力したことを理由に、不利益な取扱いをしない旨を定め労働者に周知・啓発する。

     

     

    ■求職者等に対するセクシュアルハラスメントの防止のために講ずべき措置(義務)

     

    (1)事業主の方針等の明確化及び周知・啓発

    ①求職者等に対するセクシュアルハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発する。

    ②求職者等に対するセクシュアルハラスメントを行った者について厳正に対処する旨の方針及び対処の内容を労働者に周知・啓発する。

    ③求職活動等に関するルールを明確にし、労働者及び求職者に周知・啓発する。(面接時間・場所の指定、実施体制、SNSの種類の指定等のルール)

     

    (2)相談体制の整備

    ④相談窓口をあらかじめ定め求職者等に周知する。

    ⑤相談担当者が適切に対応できるようにする。

     

    (3)事後の迅速かつ適切な対応

    ⑥事実関係を迅速かつ正確に確認する。

    ⑦被害者に対する配慮のための措置を行う。

    ⑧行為者に対する措置を適正に行う。

    ⑨再発防止に向けた措置を講ずる。

     

    (4)併せて講ずべき措置

    ⑩相談者のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ労働者及び求職者に周知する。

    ⑪相談したことや調査に協力したことを理由に、不利益な取扱いをしない旨を定め労働者に周知・啓発する。

     

     

    特にカスタマーハラスメントへの対応を現場の従業員だけに任せると、従業員が一人で抱え込むおそれがあります。誰が対応し、どの段階で上司や会社に報告するのか、必要に応じて対応を中止したり、警察や専門機関への相談を検討したりするのかを、あらかじめ決めておくことが大切です。

    また、自社の従業員が、他の事業主が雇用する労働者に対して不適切な言動を行わないよう、日頃から周知・研修等も行いましょう。

     

    求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策は、採用段階から安心してかかわることができる環境を整えることを事業主に求めるものです。採用担当者だけでなく、会社全体で「採用の場でもハラスメントを起こさない」という意識を共有することが大切です。

     

    2026年10月1日の施行に向けて、規程を整えるだけでなく、会社が適切に対応できる体制になっているか、今のうちに確認しておきましょう。

     

     

    詳細は下記、厚生労働省ホームページにてご確認ください。

    職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産等、育児・介護休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント|厚生労働省

     

  • 令和8年 障害者法定雇用率引き上げ

    2026年9月2日

    お役立ち情報

    障害者法定雇用率とは

     

    障害者法定雇用率は、障害のある方が能力を発揮し、自立して働けるよう企業に雇用義務や差別の禁止を定めた「障害者雇用促進法」により定められています。

    障害に関係なく、希望や能力に応じて、誰もが職業を通じた社会参加のできる「共生社会」実現の理念の下、一般労働者と同じ水準において常用労働者となり得る機会を確保することとし、全ての事業主に、常用労働者の数に対する割合(障害者雇用率)を設定し、達成義務等を課すことにより、それを保障するものです。

     

     

    障害者法定雇用率が2.7%に引き上げ

     

    障害者法定雇用率は段階的に引上げられてきており、令和8年7月からは 2.7に引上げになりました。

    この引上げにより、対象事業主の範囲が常用雇用労働者数37.5人以上へ広がり、今まで対象外だった中小規模事業所にも障害者雇用義務が発生します。

    常用雇用労働者数は、週30時間以上の常用労働者を1人、週20~30時間の短時間労働者を0.5人でカウントして算出します。

    週20~30時間の短時間労働者数を含めるのを忘れないように注意してください。

     

    民間企業の法定雇用率 対象事業主の範囲

    (常用雇用労働者数)

    令和5年4月 2.3% 43.5人以上
    令和6年4月 2.5% 40.0人以上
    令和8年7月 2.7% 37.5人以上

     

    雇用義務のある障害者の人数(法定雇用障害者数)は、「常用雇用労働者数×障害者法定雇用率(2.7%)」で算出し、小数点以下は切り捨てとなります。

     

    障害者の就業が困難であると認められる業種(船員、建設業など)については、常用雇用労働者数を計算するときに、除外率に相当する労働者数を控除し、法定雇用障害者数を軽減していますが、この制度は廃止することが決まりっており、現在も経過措置として段階的に除外率を引き下げ、縮小する方向で運用しています。

     

    雇用している障害者の人数は、労働時間や障害の程度によってどのようにカウントするかが細かく定められています。

     

    週所定労働時間 30時間以上 20時間以上

    30時間未満

    10時間以上

    20時間未満

    身体障害者 1 0.5
    身体障害者重度 2 1 0.5
    知的障害者 1 0.5
    知的障害者重度 2 1 0.5
    精神障害者 1 1 0.5

     

     

    障害者雇用状況報告

     

    対象事業主は、毎年6月1日現在の障害者雇用状況を「障害者雇用状況報告書」でハローワークへ報告する必要があります。

    報告を怠ったり、障害者雇用率が未達成の場合はハローワークの行政指導が行われ、行政指導後も改善が進まず雇用状況が著しく悪い場合は、雇入れ計画の作成提出を命じられます。

    また、常用労働者100人超の企業は、不足1人につき月5万円の障害者雇用納付金が発生します。

     

     

    その他、詳細は厚生労働省のホームページでご確認ください。

    障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について/厚生労働省

    事業主の方へ/厚生労働省

    障害者雇用状況報告書及び記入要領等/厚生労働省

    障害者雇用納付金/独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構

  • 健康保険 高額療養費制度の見直し

    2026年8月4日

    お役立ち情報

    高額療養費制度とは

     

    重い病気などで病院等に長期入院したり、治療が長引く場合には、医療費の自己負担額が高額となります。

    そのため家計の負担を軽減できるように、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される高額療養費制度があります。

    同一の月に医療機関等で支払った一部負担(自己負担)額が高額になり、自己負担限度額を超えたときは、申請することで、その超えた分が後日「高額療養費」として払い戻されます。

    医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、マイナ保険証を利用するか、限度額適用認定証を医療機関等に提示すると、医療機関等の窓口で支払う金額を自己負担限度額までに抑えることができます。

    ※保険外併用療養費の差額部分や入院時食事療養費、入院時生活療養費の自己負担額は対象になりません。

     

    令和8年8月・令和9年8月からの見直しの内容について

     

    今回の高額療養費制度の見直しでは、制度全体の持続可能性の確保の観点から、低所得の方の負担に配慮しつつ、主に療養期間が短期の方に追加のご負担をお願いする一方で、「多数回該当」の金額を維持した上で、新たに「年間上限」を設けるとともに、令和9年8月から標準報酬月額が15万円以下の方の「多数回該当」の金額を引き下げるなど、長期療養者や低所得者へのセーフティネット機能を強化しています。

     

    新たに年間の上限額が新設されます

     

    令和8年8月から、1年間(前年8月1日から7月31日で計算、初回の計算期間は令和8年8月1日~令和9年7月31日)にかかった自己負担の合計額が年間上限の金額を超えた場合、超えた金額が「高額療養費」として支給されるようになります。

    高額療養費制度には、直近12ヵ月に3回以上高額療養費に該当した場合、4回目以降の自己負担限度額を引き下げる「多数該当」という仕組みがありますが、継続的に医療費がかかっていても各月では高額療養費に該当せず、多数該当の対象にならない場合は医療費負担が大きくなっていましたが、年間上限の新設により、このような方の医療費負担が軽減されることになります。

     

    令和9年8月からは、応能負担という観点に基づき、所得区分をよりきめ細かいものとするため、現在の限度額から著しく増加することがないよう配慮しつつ、所得区分が細分化されます。

    また、低所得者への配慮の観点から、「標準報酬月額が15万円以下の方」の多数回該当の金額が引き下げられます。

     

    詳細は、厚生労働省・全国健康保険協会のホームページでご確認ください。

    高額療養費制度を利用される皆さまへ/厚生労働省

    高額療養費/全国健康保険協会

    限度額適用認定証/全国健康保険協会

  • パートタイム・有期雇用労働法が改正されます

    2026年7月2日

    お役立ち情報

    パートタイム・有期雇用労働法が改正されます

    ~同一労働同一賃金への対応を改めて確認しましょう~

     

    令和8年10月1日から、パート・有期雇用労働法に関する施行規則、同一労働同一賃金ガイドラインおよび雇用管理指針が改正されます。

     

    パート・有期雇用労働法では、不合理な待遇差を禁止する「同一労働同一賃金」のルールが設けられています。

    今回の改正は、このルールをより実効性のあるものとするため、近年の裁判例を踏まえてガイドラインを見直すとともに、労働者が待遇差について説明を受けやすい環境を整えることで、待遇差に関する説明の実効性を高め、公正な待遇の確保を図ることを目的として行われます。

     

    1、同一労働同一賃金ガイドラインの見直し(告示)

     

    今回の改正では、近年の裁判例等を踏まえ、企業が待遇差の合理性を判断しやすいよう、ガイドラインの内容がより具体化されました。

    ガイドラインでは、基本給、賞与、退職金、各種手当、福利厚生等について、どのような場合に待遇差が認められるか、その考え方がより明確に示されています。

    今回新たに追加された内容は次のとおりです。

    (~厚生労働省:同一労働同一賃金ガイドラインの主な改正事項より~)

     

    ■賞与(記載の充実)・退職手当(新規追加)

    賞与・退職手当の性質・目的として、労務の対価の後払い、功労褒賞等の様々な性質・目的が含まれる。これらの性質・目的が妥当するにもかかわらず、非正規雇用労働者に対し、通常の労働者との間の職務の内容等の相違に応じた均衡のとれた内容を支給しない場合、不合理と認められるものに当たりうることに留意。

    ■無事故手当(新規追加)

    通常の労働者と業務の内容が同一の非正規雇用労働者には、通常の労働者と同一の無事故手当を支給。

    ■家族手当(新規追加)

    労働契約の更新を繰り返しているなど、相応に継続的な勤務が見込まれる非正規雇用労働者には、通常の労働者」と同一の家族手当を支給。

    ■住宅手当(新規追加)

    住宅手当であって、転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるものについて、通常の労働者と同一の転居を伴う配置の変更がある非正規雇用労働者には、通常の労働者と同一の住宅手当を支給。

    ■病気休職・休暇(記載の充実)

    労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれる非正規雇用労働者にも、通常の労働者と同一の病気休職・休暇(療養への専念を目的とした休暇に限る)期間に係る給与を保障。

    ■夏季冬季休暇(新規追加)

    非正規雇用労働者にも、通常の労働者と同一の夏季冬季休暇を付与。

    ■褒賞(新規追加)

    褒賞であって、一定の期間勤続した労働者に付与するものについて、通常の労働者と同一の期間勤続した非正規雇用労働者には、通常の労働者と同一の褒賞を付与。

     

    ・住宅手当

    正社員、パート・有期雇用労働者のいずれも、実態として転居を伴う配置の変更をしていない場合において、正社員だけに住宅手当を支給することの不合理性が示されています。

     

    ・正社員人材確保論

    正社員の人材確保や定着を図る目的で賞与や退職金の対象を正社員だけにしているというところは多いように思いますが、そのような抽象的な理由だけで直ちに不合理ではないと認められるものではなく、あくまでも待遇の性質や目的に照らして判断されるものであることが示されています。

     

    ・無期雇用フルタイム

    短時間労働者にも有期雇用労働者にも該当しない、無期雇用フルタイム労働者については均等・均衡待遇の対象外でしたが、その部分についても同一労働同一賃金のガイドラインに留意し、不合理な待遇差を解消することが求められる旨が示されています。

     

    ・通常の労働者の待遇引き下げによる待遇差の解消

    待遇改善にあたっては、正社員の待遇を引き下げるのではなく、パート・有期雇用労働者の労働条件の改善を図ることで解消することも求められており、これまで以上に企業には丁寧な対応が求められることになります。

     

    ・定年後に継続雇用された有期雇用労働者

    定年退職したから一様に条件を切り下げてもよいということではなく、定年退職はあくまでも待遇差を考える上での要素の一つであり、待遇差の合理性は、待遇の性質や目的に照らして判断する必要があることが示されています。

     

    待遇差の合理性は「正社員だから、パートだから」という雇用形態のみで判断されるものではありません。職務の内容、責任の程度、人材活用の仕組み等を踏まえ、それぞれの待遇の趣旨や性質に照らして判断されます。

    そのため、企業では次のような点を改めて確認しておくことが重要です。

    ・住宅手当や家族手当は、どのような趣旨で支給しているのか。

    ・賞与や退職金は、何に対して支給する制度なのか。

    ・正社員とパート・有期雇用労働者との待遇差は、その趣旨に照らして合理的に説明できるか。

    ガイドラインがより詳細に示され、企業にはこれまで以上に丁寧な対応が求められることになります。各待遇の考え方を整理し、不合理な待遇差となっていないか点検しておきましょう。

     

     

    2、労働条件通知書への記載事項の追加(パート・有期法施行規則)

     

    令和8年10月1日以降、パート・有期雇用労働者に交付する労働条件通知書には、新たに「通常の労働者との待遇の相違の内容・理由等について説明を求めることができる旨を記載することが必要となります。

    なお、事業主が説明する義務自体は従来から定められており、今回新たに創設されたものではありません。今回の改正は、労働者にその権利を周知し説明を受けやすい環境を整えることを目的としています。そのため、通知書の様式を改定するだけでなく、説明を求められた際に、待遇差の内容や理由等をわかりやすく説明できるよう、説明資料や社内の運用を準備しておくことが大切です。

    ■パートタイム・有期雇用労働者に義務付けられている労働条件明示事項

    パートタイム・有期雇用労働者を雇い入れる際や契約更新の際には、現行制度のもとにおいても、通常の労働条件に加えて、次の事項の明示が必要です。

    <昇給の有無>・<退職手当の有無>・<賞与の有無>・<相談窓口>

    ■令和8年10月から追加される事項

    上記に加えて、令和8年10月1日からは次の事項の明示が必要になります。

    ・待遇の相違等に関する説明を求めることができる旨

    <労働条件通知書の記載例>

    次の窓口に対して通常の労働者との間の待遇の相違(内容・理由)などについて説明を求めることができる。

    部署名      担当者職氏名    (連絡先         )

    (厚生労働省パンフレットより)

     

     

    3、雇用管理の改善等に関する措置の見直し(告示(雇用管理指針))

     

    事業主が講ずべき雇用管理上の措置についても見直しが行われ、公正な賃金の決定に向けた取組や労使間の話し合いの促進、相談体制の整備、教育訓練・福利厚生の利用機会の確保等に関する内容が追加・充実されています。

    ※その他の改正内容については、厚生労働省公表資料をご確認ください。

     

     

    4、まとめ

     

    今回の改正を受けて、企業が取り組むべき主な内容は、次のとおりです。

     

    1、正社員、パート・有期雇用労働者の待遇差の有無を検証するために、それぞれの賃金や福利厚生面等の現状の待遇を洗い出します。

    2、待遇差が合理的なものかどうか検証するために、基本給の決定方法、諸手当の支給基準、賞与、退職手当、福利厚生(施設の利用、休暇、休職等)等、その一つ一つに対し、趣旨や目的を整理します。

    3、待遇一つ一つの趣旨や目的に照らして、現状ある待遇差が合理的かどうか検証します。合理的だと判断できた場合は、従業員にその説明ができるよう、説明資料等の準備をします。

    4、不合理な待遇差があった場合は、待遇差の解消に向けた制度の構築・整備を行う必要があります。そしてその内容を明確にし、従業員へ周知するためには、就業規則や賃金規程等に落とし込むことも重要な作業の一つとなります。

    5、10月1日以降の労働条件通知書は、「待遇の相違等に関する説明を求めることができる旨」を追加した書式に変更することを忘れないようにしましょう。同時に、待遇差の説明が従業員に対してわかりやすく行えるよう、必要資料や説明用の書面を整えておくことも必要です。

     

    厚生労働省のホームページには、ガイドラインはじめ、改正後の労働条件通知書のひな形等も公開されています。

    各種手当や待遇の趣旨を改めて整理し、合理的に説明できる制度へと見直すことは、不合理な待遇差の解消だけでなく、従業員の安心感や働きがいの向上にもつながると思います。従業員が安心して能力を発揮できる職場は、企業への信頼や貢献意欲を高め、結果として組織全体の活性化にもつながるのではないでしょうか。

    今回の改正を、見直しの好機として積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。

     

     

    詳細は下記厚生労働省のホームページをご確認ください。

    同一労働同一賃金特集ページ |厚生労働省

  • 令和8年 社会保険 算定基礎届の提出

    2026年7月2日

    お役立ち情報

    社会保険算定基礎届(定時決定)の提出の時期になりました。

    期間内に、日本年金機構へ提出してください。

    (健康保険組合に加入の事業主の方は、健康保険組合にも提出してください。)

     

    提出期間 : 令和8年7月1日(水)から7月10日(金)まで

     

     

    定時決定とは

     

    ◆健康保険及び厚生年金保険の被保険者及び70歳以上被用者の実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が生じないように、事業主は7月1日現在で使用している全ての被保険者及び70歳以上被用者に4・5・6月に支払った賃金を「算定基礎届」によって届出し、この届出内容に基づき、毎年1回標準報酬月額を決定します。

    これを定時決定といいます。

     

    ◆「算定基礎届」により決定された標準報酬月額は、原則1年間(9月から翌年8月まで)の各月に適用され、納付する保険料の計算や将来受け取る年金額等の計算の基礎となります。

     

    ◆届出書類や案内文書が、事業主宛に6月上旬頃から日本年金機構より発送されます。

    電子申請 または 同封されている返信用封筒にて事務センターへ郵送して下さい。

     

     

    留意点

     

    ◆算定基礎届の提出の対象となるのは、7月1日現在の全ての被保険者及び70歳以上被用者です。

    ただし、以下の(1)~(3)のいずれかに該当する方は算定基礎届の提出が不要です。

    (1)6月1日以降に資格取得した方

    (2)6月30日以前に退職した方

    (3)7月、8月、9月随時改定の月額変更届を提出する方

     

    ◆報酬とは「労働の対償」として受けるものが報酬となります。

    基本給だけでなく各種手当や通勤定期券(非課税分含む)も含まれますが、出張旅費、解雇予告手当、退職手当、臨時に受けるもの、3ヵ月を超える期間ごとに受けるものは除きます。

     

     

    詳細については日本年金機構のホームページでご確認ください。

    定時決定/日本年金機構

  • 令和8年 労働保険料の申告・納付

    2026年6月2日

    お役立ち情報

    今年も、労働保険の年度更新の時期になりました。

    今年の申告・納付期間は令和8年6月1日(月)~7月10日(金)です。

    手続きが遅れると、政府が労働保険料・一般拠出金の額を決定し、さらに追徴金を課すことがありますのでご注意下さい。

     

     

    ◆ 年度更新とは

     

    労働保険(労働者災害補償保険・雇用保険)は、新年度の概算保険料を納付するための申告・納付と、前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付の手続きが必要です。

    この手続きを「年度更新」と言います。

     

     

    ◆ 保険料

     

    労働保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間(保険年度といいます。)を単位とし、その間に支払われるすべての労働者の賃金総額に、業種ごとに定められた保険料を乗じて算定します。

     

    賃金総額は、基本給だけでなく、通勤手当(非課税分含む)、各種手当、賞与等、労働の対償として支払うすべてのもので、税金や社会保険料等を控除する前の支払総額をいいます。

    慶弔見舞金、出張旅費等の実費弁償、工具手当等の労働者が自己負担で用意した用具に対しての手当等は含まれません。

     

    保険年度中に支払いが確定した賃金は、その保険年度に実際に支払われていなくとも算入してください。

    例えば、3月1日~3月31日の給与を4月15日に支払っている場合、この給与は4月ではく3月として算入します。

     

    元請により実施した工事がある建設業で、賃金総額が算定しがたい場合は、特例の計算方法により賃金総額とし、保険料を算定することができます。

    【 請負金額(消費税除く)×労務比率=賃金総額 】

    また、「一括有期事業総括表」と「一括有期事業報告書」もあわせて提出することになります。

     

     

    ◆ 申告書

     

    年度更新の申告書は、事業主宛に5月末~6月初にA4サイズの緑または青の封筒で送付されます。

    申告書を作成し、期間内に①~③の方法で申請してください。

     

    ①管轄の都道府県労働局・労働基準監督署・金融機関の窓口(納付がある場合のみ)での申請

    ②電子申請

    ③管轄の労働局へ郵送での申請

     

    なお、電子申請が義務付けられている事業場は、今年度(令和8年度)の年度更新から、紙の申告書の送付がなくなり、代わりに、電子申請に必要な情報を記載した通知書等が送付されます。

    従来のA4サイズの緑または青の封筒ではなく、定形郵便サイズの茶封筒で送付されますのでご注意ください。

     

    <電子申請が義務付けられている法人>

    ・資本金、出資金または銀行等保有株式取得機構に納付する拠出金の額が1億円を超える法人

    ・相互会社(保険業法)

    ・投資法人(投資信託及び投資法人に関する法律)

    ・特定目的会社(資産の流動化に関する法律)

     

     

    その他、詳細については厚生労働省のホームページでご確認ください。

    労働保険年度更新に係るお知らせ

  • 従業員の自転車利用、会社のルールは大丈夫ですか?

    2026年5月8日

    お役立ち情報

    従業員の自転車利用、会社のルールは大丈夫ですか?

    ~規制強化を踏まえた見直しポイント~

     

    令和8年4月から自転車に関する規制や取締りが強化され、ニュース等でも取り上げられる機会が増えています。こうした中、従業員の通勤や業務における自転車利用についても、改めて見直しが求められています。一見すると個人の問題と思われがちな自転車の利用ですが、実は企業にとっても無関係ではありません。むしろ、適切に管理されていない場合には、思わぬ労務リスクにつながる可能性があります。

     

     

    ■よくある放置状態

     

    実務上、次のようなケースは少なくありません。

    ・自転車通勤の申請制度がない。

    ・自転車利用ルールを特に定めていない。

    ・ヘルメット着用が各自の判断に任されている。

    ・自転車保険の加入状況、保障の内容を確認していない。

    ・事故発生時の報告ルールが未整備

     

    こうした状態でも日常業務は回ってしまうため、見直しが後回しになりがちです。

    しかし、この「放置」が後のトラブルにつながるおそれがあります。

     

     

    ■企業が負う可能性のあるリスク・対応事項

     

    ①使用者責任(業務中の事故)

    従業員が業務中に自転車事故を起こし、第三者に損害を与えた場合、会社が損害賠償責任を問われる可能性があります。自転車事故であっても高額賠償となるケースは少なくありません。なお、原則として通勤中の事故については直ちに使用者責任が認められるものではありませんが、業務との関連性が認められる場合など、個別の事情によっては責任が問われる可能性もあります。

     

    ②労災対応(通勤・業務)

    一般的には通勤中の事故は通勤災害として、業務での移動中であれば業務災害として労災の対象となります。会社としては、事故発生時の手続対応や状況把握など、一定の実務対応が求められます。

     

    ③安全配慮義務

    会社には従業員の安全に配慮する義務があります。

    自転車通勤を認めているにもかかわらず、必要なルール整備や指導が行われていない場合には、事故時に問題となる可能性があります。

     

    ④懲戒・指導の難しさ

    ルールが整備されていない場合、危険な運転や重大な違反があっても、会社として適切な指導や懲戒を行うことが難しくなります。

     

     

    ■今すぐ見直したい実務対応

     

    ①自転車通勤の許可制

    自転車通勤については、届出制または許可制とし、会社が利用状況を把握できるようにします。

     

    ②自転車利用ルールの明確化

    基本的な交通ルール順守の徹底、危険行為の禁止、自転車の整備や定期点検の義務等を明確にし、周知します。

     

    ③ヘルメット着用の方針

    努力義務とされている中でも、会社としての方針(推奨・義務化等)を示しておくことは、安全配慮の観点からも望まれます。

     

    ④自転車保険の加入確認・保障内容の確認

    万一の事故に備え、個人賠償責任保険等への加入状況、およびその保障範囲、保障金額等、十分な補償内容になっているかを確認しておくことが重要です。過去の高額賠償事例の賠償額は、数千万から1億円近くに及んでいます。

     

    ⑤事故発生時の報告ルール

    事故が発生した場合の報告経路・報告内容・報告期限等を明確にしておくことで、初動対応がスムーズになります。

     

    ⑥会社保有自転車の管理

    会社が保有する自転車を業務に使用する場合は、利用者・利用目的・行先等を把握できるよう、届出や記録の仕組みを設けておくことが望まれます。あわせて、私的利用の禁止についても明確にしておくべきでしょう。

     

    ⑦就業規則等への反映

    上記①~⑥の自転車利用に関する事項を、就業規則等に規定することで、ルールの根拠を明確にします。

     

    ⑧従業員への周知・教育

    道路交通法改正に伴い改めて交通ルールに関する勉強会を実施したり、ポスターで周知する等、自転車の事故が、第三者や会社にもたらす重大な影響等を理解させ、事故を未然に防ぐための責任と自覚を促すことが重要です。

     

     

    ■まとめ

     

    自転車は手軽な移動手段ですが、企業にとってはリスクになり得る側面があるため、労務管理の対象として適切に取り扱う必要があります。自動車に関しては管理をしているが自転車までは手が回っていないというケースもあるのではないかと思います。

    特に自転車の規制強化が進む中では、従来よりも一層注意し、ルールや管理体制を見直すことが重要です。大きな事故やトラブルにつながる前に、自社の運用を一度確認してみてはいかがでしょうか。

     

    (参考)

    自転車事故と保険|日本損害保険協会

    自転車の交通反則通告制度(青切符)の導入 警視庁

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