道路交通法の改正について
2022年5月9日
運転者の酒気帯びの有無の確認について、道路交通法施行規則の一部が改正されました。(2022年4月1日施行、2022年10月1日施行)
以前より安全運転管理者は運転者の酒気帯びの確認を行う必要がありましたが、運転者の運転後の酒気帯びの確認や、記録の保存、確認方法などこれまで明確にされていなかった部分が、今回の改正により明確・厳格化されました。
< 対 象 >
今回の改正が適用されるのは自家用自動車(白ナンバー車)を使用する事業所のうち、以下のいずれかに該当する事業所です。(安全運転管理者の選任義務がある事業所)
※運輸・物流を営む業者が使用する緑ナンバーの自動車へはすでに義務化されています。
①定員11名以上の自動車を1台以上使用している事業所
②その他の自動車を5台以上(自動二輪車(原動機付自転車を除く)1台は0.5台で計算)保持している事業所
< 改正の内容 >
2022年4月1日施行
(1)運転前後に運転者の酒気帯びの有無を目視等で確認すること。
・運転者の顔色、呼気の臭い、応答の声の調子等、安全運転管理者が原則として対面・目視等で確認する。
(2)確認の内容を記録し、その記録を1年間保管すること。
・確認者名
・運転者名
・運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
・確認の日時
・確認の方法(アルコール検知器の使用の有無(2022年10月1日~))
(対面でない場合は具体的な方法)
・酒気帯びの有無
・運転者への指示事項
・その他必要な事項
2022年10月1日施行
(1)運転前後の運転者の酒気帯びの有無をアルコール検知器で確認すること。
(2)アルコール検知器を常時有効に保持すること。
< アルコール検知器 >
アルコール検知器が正常に作動し、故障がない状態で保持しなければならない為、適切な使用・管理及び定期的なメンテナンスが必要となります。
アルコール検知器は、酒気帯びの有無が「音」、「色」、「数値」などで確認できるものであればよく、特に性能上の要件は問いません。
< 対面で確認できない場合 >
目視でのチェックやアルコール検知器を使用するチェックは対面で行うことが原則ですが、直行直帰や運転者が遠方にいる時など対面が困難な場合は対面に準ずる下記のような方法で確認します。
・対面での確認が困難な場合は、運転者に携帯型アルコール検知器を携行させたうえで 安全運転管理者がカメラやモニターを通して運転者の顔色、応答の声の調子等とともにアルコール検知器の測定結果を確認する。
・運転者の顔色等を確認すること自体が困難な場合は、携帯電話や業務用無線その他の運転者と直接対話できる方法によって、安全運転管理者が運転者の応答の声の調子等を確認するとともに、アルコール検知器での測定結果を報告させる。
< 確認者 >
酒気帯びの確認をするのは安全運転管理者ですが、安全運転管理者が不在の時等は、副安全運転管理者や安全運転管理者業務を補助するものに確認させても差し支えありません。
飲酒運転の根絶を図ることを目的として上記のように法律の一部が改正されました。飲酒運転をした場合は運転者だけでなく、安全運転管理者や企業への責任が問われ、企業の社会的信頼が失われることも想定できます。
安全運転管理者等の選任・届出及び法律の改正等の対象に該当する場合は、企業の責任としてしっかり対応していきましょう。
安全運転管理者の選任義務及び酒気帯びの有無の確認等についての詳細は下記をご参照ください。