みなと横浜中央社会保険労務士法人

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  • 2024年11月1日 フリーランスの新法が施行されます

    2024年11月5日

    お役立ち情報

    特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)が、2024年11月1日に施行されます。

    近年働き方の多様化が進み、フリーランスという働き方が社会に普及してきた一方で、フリーランスと発注事業者との間で起こる報酬未払いやハラスメント等の様々なトラブルも問題とされてきました。

    この法律は、そのような背景をうけて、(A)フリーランスの方(B)発注事業者との取引の適正化とフリーランスの方の就業環境の整備を図ることを目的として制定されたものです。

    この法律は、取引の適正化を目的とした2つの義務と7つの禁止行為、そして就業環境の整備を目的として4つの義務から構成されています。

     

    1、対象事業者

     

    (A)フリーランスとは・・・

    (仕事を委託される事業者でフリーランス新法により守られる側)

    ■特定受託事業者

    業務委託の相手方であり、次の①又は②に該当するもの

    ① 個人であって従業員を使用しないもの

    ② 法人であって代表者以外に他の役員がなく、かつ従業員を使用しないもの

    ※従業員とは、週20時間以上かつ31日以上の雇用が見込まれる労働者をいいます。同居の親族のみを使用している場合は該当しません。

     

    (B)発注事業者とは・・・

    (フリーランスに業務を委託する事業者で、フリーランス新法により、義務を課せられる側)

    ■特定業務委託事業者

    フリーランスに業務委託をする事業者で次のいずれかに該当するもの

    ① 個人であって、従業員を使用するもの

    ② 法人であって、役員がいる又は従業員を使用するもの

    ■業務委託事業者

    フリーランスに業務委託をする事業者で従業員を使用していないもの

    (フリーランスからフリーランスへ業務委託する場合はここに該当します。フリーランスであっても、他のフリーランスへ業務を委託する場合は、この法律により義務が課される側にもなります)

     

     

    2、適用対象業務

     

    業種・業界の限定なく、発注事業者からフリーランスへ委託する全ての業務が対象です。

     

     

    3、義務と禁止行為

     

    ■取引の適正化・・・2つの義務と7つの禁止行為

     

    (1)取引条件の明示義務

    フリーランスに業務を委託する際には、取引の条件を書面又は電磁的方法(電子メール、SNSのメッセージ、チャットツール等)にて明示しなければなりません。

    どちらの方法にするかは、発注事業者が選択できます。

    また、明示すべき事項が網羅されていれば、書式の定めは特にありません。

    <明示すべき事項>

    ① 発注事業者とフリーランスの名称

    ② 業務委託をした日(業務委託をすることを合意した日)

    ③ 業務の内容(品目、品種、数量(回数)、規格、仕様等を具体的に記載する)

    ※知的財産権を譲渡、許諾させる際には、譲渡・許諾の範囲も明確に記載する。

    ④ 給付を受領または役務提供を受ける日

    (いつまでに納品するのか、いつ作業をするのか)

    ⑤ 給付を受領又は役務の提供を受ける場所

    (どこに納品するのか、どこで作業をするのか)

    ⑥ 給付の内容について検査をする場合は、検査を完了する期日

    (検査をする場合のみ記載する必要がある事項)

    ⑦ 報酬の額及び支払期日

    (具体的な報酬額を記載することが難しい場合は算定方法でも可。支払期日は具体的な支払日を特定する必要がある)

    ※フリーランスの知的財産権の譲渡・許諾がある場合はその対価を報酬に加える必要がある。フリーランスの業務に必要な経費を発注事業者が負担する場合は、報酬の額は諸経費を含めた総額が把握できるように明示する必要がある。

    ⑧ 現金以外の方法で報酬を支払う場合は、支払い方法に関すること。

    (現金以外の方法で支払う場合のみ記載する必要がある事項)

     

    (2)期日における報酬支払義務

    発注事業者は、フリーランスに発注した給付を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で支払日を定め、その定めた支払期日までに報酬を支払わなければなりません。(再委託の場合は例外として、一定の要件を満たした場合、元委託支払期日から起算して30日以内のできる限り短い期間内で定めることができます。)

    例:期日を特定(〇月〇日支払)

    月単位の締切制度(毎月〇日締め、翌月〇日支払)

    ※〇月〇日まで/〇日以内のような表現は、具体的な日を特定できないため不可(法違反)

     

    (3)発注事業者の禁止行為

    <7つの禁止行為>

    ① 受領拒否(フリーランスに責任がないのに、発注事業者の都合で受取を拒否したり、あらかじめ定めた納期に受け取らないこと)

    ② 報酬の減額(フリーランスに責任がないのに、あらかじめ定めた報酬を後から減らして支払うこと)

    ③ 返品(フリーランスに責任がないのに、委託した物品や成果物を受領後にフリーランスにひきとらせること。不良品等の場合は受領後6か月以内に限り返品が認められるが、それを超える返品は法違反)

    ④ 買いたたき(フリーランスと十分な協議をせず、通常支払われる対価に比べて著しく低い報酬額を一方的に定めること。)

    ⑤ 購入・利用強制(正当な理由なく、フリーランスに対して発注事業者が指定する物を購入させたり、利用させたりすること)

    ※強制したつもりはなくても、立場的にフリーランスが断ることができないような状況により購入等を余儀なくされる場合もこれに該当する。)

    ⑥ 不当な経済上の利益の提供要請(委託業務に含まれていない業務を無償で行わせたり、無償で知的財産権を譲渡させるなど、フリーランスの利益にならないことをさせたり、提供させたりすること)

    ⑦ 不当な給付内容の変更・やり直し(フリーランスに責任がないのに、費用の負担をせずに給付の内容を変更させたり、受領後にやり直し等をせ、フリーランスの利益を害すること。)

     

    ■就業環境の整備・・・4つの義務

     

    (1)募集情報の的確表示義務

    発注事業者が、広告等でフリーランスを募集する際には、次のことが義務とされます。

    ① 虚偽の表示の禁止

    (意図して実際の条件と異なる表示をしたり、存在しない業務の募集情報を提供すること等)

    ② 誤解を生じさせる表示の禁止

    (実際の報酬額等より高額であるかのような表示や、実際の業務と著しく乖離する名称の使用等。労働者と混同されるような表示もこれに該当)

    ③ 正確かつ最新の表示の義務

    (募集の終了、内容の変更を正確に最新情報になるように変更すること)

     

    (2)育児介護等と業務の両立に対する配慮義務

    発注事業者は、フリーランスの申出に応じて、6か月以上の期間で行う業務委託について、フリーランスが妊娠、出産、育児又は介護と業務を両立できるよう必要な配慮をしなければなりません。(6か月未満の期間で行う業務委託については配慮するよう努めなけらばなりません)

    ① フリーランスから申し出があった場合は、その内容を十分に把握することが必要。(申出があったにもかかわらず申出を無視することは法違反)

    ② フリーランスの希望する配慮や、取り得る対応を十分に検討することが必要。(申出のあった配慮の実施について可能かどうかの検討をしないのは法違反)

    ③ 配慮ができる場合はその内容を伝え、できない場合はその理由について説明することが必要。(配慮しないとしたにも関わらずその理由を説明しない場合は法違反)

     

    (3)ハラスメント対策に係る体制整備義務

    ハラスメントによりフリーランスの就業環境を害することのないよう次の措置を講ずる必要があります。(労働者に対するものと同様の措置となっています)

    ① ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化、方針の周知・啓発

    労働者に対するものと同様に方針の周知及びハラスメント行為者等に対して厳正に対処する旨の方針を就業規則に規定する。

    ② 相談窓口の設置等、フリーランスが相談できる体制の整備

    労働者に対して設置している相談窓口を活用することも可能。相談窓口があることをフリーランスに周知すること。また、相談担当者が適切に対応できるようにすることが必要。

    ③ ハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応

    迅速かつ正確な事実の確認、被害者への配慮・措置の速やかな実施、行為者への適正な措置、再発防止の取り組み等を実施すること。

    ④ 併せて講ずべき措置

    相談者や行為者のプライバシー保護、及びフリーランスが相談したこと等を理由に契約解除等の不利益な取り扱いがされない旨を定め、周知すること。

     

    (4) 中途解除等の事前告知・理由開示義務

    ① 発注事業者は、6か月以上の期間で行う業務委託について、契約の解除又は更新しないこととする場合は、解除日又は満了日から30日前までにその旨を予告しなければなりません。(一部例外事由あり)② 予告の日から解除日までにフリーランスから理由の開示の請求があった場合は、遅滞なく理由の開示をしなければなりません。(一部例外事由あり)

     

     

    4、義務の適用範囲

     

    1人でやっているような発注事業者よりも、従業員を使用している発注事業者の方が課される義務が多くなり、また、業務委託の期間の長さにより、課される義務も変わります。

    ① 従業員を使用していない発注事業者

    取引条件の明示義務のみが義務となります。

    ② 従業員を使用している発注事業者

    取引条件の明示義務、期日における報酬支払義務、募集情報の的確表示義務、ハラスメント対策に係る体制整備義務の4つが義務となります。

    ③ 従業員を使用しており、一定の期間以上行う業務委託である場合上記②の義務に加え、業務委託の期間に応じて、次の3つが義務となります。

    禁止行為(1か月以上の業務委託)育児介護等と業務の両立に対する配慮義務(6か月以上の業務委託)中途解除等の事前告知・理由開示義務(6か月以上の業務委託)

     

     

    5、違反行為への対応

     

    フリーランスは、発注事業者に本法違反と思われる行為があった場合は、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省に対して申し出ることができるとされています。

    それに応じて担当省庁が調査を行い、指導・助言又は勧告を行い、勧告に従わない場合は、命令・公表をすることができます。

    命令違反には50万円以下の罰金が科せられる可能性もあります。

     

     

    6、まとめ

     

    取引の適正化による2つの義務と7つの禁止行為により、フリーランスが弱い立場で不当な条件を強いられて業務を行うことがないよう守られることになります。

    また、就業環境の整備は労働者に対するものとほぼ同様の内容が求められています。

    就業規則のハラスメント禁止条項等に、ハラスメントの対象が労働者だけになっている場合は、フリーランスも追記する必要があります。

    フリーランスに業務委託を行う事業者は、フリーランス新法の内容を理解し、法違反にならないように注意しましょう。

    また、形式的には業務委託契約を締結している場合でも、実質的には労働基準法上の労働者と判断される場合は、本法が適用されず、労働基準関係法令が適用されますので注意が必要です。

    労働基準法における「労働者」についても判断基準等が公開されていますので、この機会に合わせて確認しましょう。

     

     

    詳細は、下記ホームページをご参照ください。

    フリーランス・事業者間取引適正化等法/厚生労働省

    フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ /厚生労働省

    労働者とは/厚生労働省

  • マイナ保険証への移行が始まります

    2024年11月5日

    お役立ち情報

    マイナンバーカードと健康保険証の一体化により、令和6年12月2日から現行の健康保険証に替えて、健康保険証として利用登録したマイナンバーカード(マイナ保険証)を基本とする仕組みになります。

    事業主、労務担当として従業員への周知が必要となってきますので、今後の流れを確認していきましょう。

     

    マイナ保険証のメリット

     

    マイナンバーカードを健康保険証として利用することで、いつもの通院においても、その他の場面でも様々なメリットがあります。

     

    ①過去のお薬の情報や健診結果をふまえた医療を受けられる

    過去に処方されたお薬や特定健診等の情報を、初めて受診する医療機関・薬局でも、患者本人が情報提供に同意すれば、医師・薬剤師がデータを確認することができるため、より良い医療が受けられます。

     

    ②手続きなしで高額な窓口負担が不要に

    医療費が高額になる場合に申請する「限度額適用認定証」が不要になります。

    また、70歳から75歳までの方に交付されている「高齢受給者証」の持参も必要なくなります。

     

    ③確定申告の医療費控除申請がカンタンになる

    確定申告の医療費控除申請をする場合、医療費の領収証を管理・保管しなくてもマイナポータルで医療費通知情報の管理が可能となり、マイナポータルとe-Taxを連携することで、データを自動入力できます。

     

    健康保険証の新規発行が廃止

     

    令和6年12月2日以降、健康保険証の新規発行(資格取得・扶養追加・再交付・氏名変更)が廃止となりますが、現在お持ちの健康保険証については、令和7年12月1日まで今までどおり使用することができます。

    ただし、令和7年12月1日より前に、退職等により健康保険の資格を喪失した場合は、その時までとなります。

     

    新たに被保険者や被扶養者になる方

     

    令和6年12月2日以降、新たに被保険者や被扶養者になる方には、健康保険証が発行されません。

     

    ◆マイナ保険証の利用登録をしている方

    資格取得や扶養追加手続き完了後5営業日程度でデータが登録され、マイナ保険証で医療機関等を受診できるようになります。

    データが登録される前に医療機関等を受診してしまうと、オンライン資格確認時に「資格(無効)」や「資格情報なし」と表示され、自費診療(全額自己負担)での受診となってしまいます。

    受診前にマイナポータルにログインをして、健康保険証のページの資格情報が最新の情報に更新されているか確認してもらうとよいでしょう。

     

    ◆マイナンバーカードを持っていない、またはマイナ保険証利用登録をしていない方

    資格取得や扶養追加手続き後に保険者から交付される「資格確認書」を提示すれば、マイナ保険証のメリットはありませんが、これまで通り医療機関等を受診することができます。

    資格取得や扶養追加手続きをするときに、届書に「資格確認書発行要否」欄が新たに設けられ、新たに被保険者や被扶養者になる方が資格確認書を必要とする場合は、届書の「□発行が必要」にチェックを入れると、資格確認書が早めに発行されます。

    チェックを入れなかった場合も、マイナ保険証をお持ちでない方、マイナンバーが未登録の方などには資格確認書が発行されますが、相当な期間(2ヶ月程度)を要します。

    急いでいる場合は特に、「□発行が必要」にチェックを入れ忘れないように注意しましよう。

     

    既存の被保険者や被扶養者の方

     

    現在お持ちの健康保険証については、令和7年12月1日まで今までどおり使用することができます。

    令和7年12月2日以降は使用できなくなるので、令和7年9月頃から、マイナ保険証をお持ちでない方、マイナンバーが未登録の方などには資格確認書が発行されます。

     

    ※令和6年9月頃に事業所に送られてきた「資格情報のお知らせ」は、資格確認書ではありません。マイナ保険証を利用できない医療機関等を受診するときに、マイナ保険証と資格情報のお知らせをセットで提示することで保険診療を受けられます。資格情報のお知らせだけでは医療機関等を受診することはできませんのでご注意ください。

     

    今後は医療機関等に何でかかればいいか

     

    今後は、次の4つの方法で保険診療を受けることができます。

     

    ①マイナ保険証

    ②お手元の健康保険証(令和7年12月1日まで)

    ③マイナ保険証 + 資格情報のお知らせ(マイナ保険証を利用できない医療機関等)

    ④資格確認書

     

     

    マイナ保険証の利用登録方法等、詳細は下記ホームページでご確認ください。

    これからは医療を受けるならマイナンバーカード/全国健康保険協会

    マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット/厚生労働省

    令和6年12月2日以降は健康保険証が発行されなくなります/日本年金機構

  • 子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律による 雇用保険制度の改正について

    2024年10月2日

    お役立ち情報

    令和6年6月12日に公布された子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律により、雇用保険制度の一部が改正されます。

    前回前々回の記事では、令和6年5月31日公布の育児・介護休業法の改正について取り上げてきましたが、育児関連の改正として今回は雇用保険制度の改正内容についてみていきましょう。

     

    <改正内容>

    現行法では、育児休業給付として、育児休業給付金と出生時育児休業給付金がありますが、今回の改正により、次の2種類の給付が創設されます。

     

    (現行)
    育児休業給付・・・・・・・・育児休業給付金・出生時育児休業給付金

    (創設)
    ①出生後休業支援給付・・・・出生後休業支援給付金
    ②育児時短就業給付・・・・・育児時短就業給付金

     

    夫婦がともに働き、共に育児を行うことや、男性の育児休業の取得を更に推進するために、これまでの育児休業給付金や出生時育児休業給付金に加えて、さらに、①の出生後休業支援給付金が上乗せされるものです。

    また、現行法では育児のために短時間勤務制度を選択した場合の賃金低下に対する給付はありませんが、②の育児時短就業給付により、これまでより育児短時間勤務制度を選択しやすくするものです。

     

    1、出生後休業支援給付の創設 (施行日:令和7年4月1日)

     

    <給付の要件>

    ①子の出生直後の一定期間以内(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に育児休業を取得すること。

    被保険者とその配偶者の両方が(※)、上記期間内に14日以上の育児休業を取得すること。

    ※配偶者が専業主婦(夫)の場合や、ひとり親家庭の場合等は、配偶者の育児休業の取得を求めずに給付されます。

     

    <給付期間>

    最大28日間

     

    <給付率>

    休業開始前賃金の13%相当額

    現行の育児休業給付の給付率は育児休業開始から180日までは67%であるため、創設される出生後休業支援給付金を合わせると給付率は80%に引き上げられます。

     

    2、育児時短就業給付の創設 (施行日:令和7年4月1日)

     

    <給付の要件>

    ①被保険者が、2歳未満の子を養育するために、所定労働時間を短縮して勤務(時短勤務)をしていること。

    ②(イ)(ロ)いずれかを満たすこと。

    (イ)育児時短就業の開始前の原則2年間にみなし被保険者期間が12か月以上あること。(※)

    (ロ)育時休業給付金又は出生時育児休業給付金の支給を受けていた場合であって、当該給付に係る休業終了後引き続き育児時短就業をしたとき

    ※(イ)は、育児休業給付又は出生時育児休業給付開始時と同様の方法にて被保険者期間の確認をし、要件を満たすことが必要です。(ロ)は育児休業給付金又出生時育児休業給付金の支給にあたりすでに被保険者期間の要件を確認しているため、改めて(イ)のような内容を確認する必要がなく、要件を満たすことになります。

     

    <給付率>

    ①時短就業中に支払われた賃金が時短就業開始時の賃金日額の90%未満の場合、時短就業中に支払われた賃金の10%

    ②時短就業中に支払われた賃金が時短就業開始時の賃金日額の90%以上100%未満の場合、時短就業中に支払われた賃金の10%から一定の割合で逓減するよう省令で定める率

    ※各月に支払われた賃金の額が支給限度額以上であるときは、当該月については、育児時短就業給付金は支給されません。

     

    育児・介護休業法の改正だけでなく、雇用保険制度の給付の面からも、育児休業等の取得や育児短時間制度の活用等、育児と仕事をより両立しやすい環境の実現を推進するものとなっています。

    これは、こども未来戦略「共働き・共育ての推進」の取り組みの一つとして実施されるものとなります。

    制度の詳細については、今後省令にて確認していくことになります。

    従業員からの問い合わせも増えてくることが予想されますので、育児・介護休業法の改正と一緒に、まずは制度全体の概要を把握しておくと良いでしょう。

     

     

    詳細は下記、厚生労働省のホームページをご確認ください。

    令和6年雇用保険制度の改正内容について(子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律)/厚生労働省

    令和6年雇用保険制度改正について/厚生労働省

  • 令和6年度の最低賃金が決定しました。

    2024年10月2日

    お役立ち情報

    令和6年度の最低賃金が決定されました。

    効力の発行日は各都道府県により異なりますのでご注意ください。

    神奈川県の場合は、効力発生日は令和6年10月1日です。

     

    ※単位は円(近隣の都道府県のみ)

    都道府県名 令和6年最低賃金 令和5年最低賃金 発効年月日
    茨城 1,005 953 令和6年10月1日
    群馬 985 935 令和6年10月4日
    埼玉 1,078 1,028 令和6年10月1日
    千葉 1,076 1,026 令和6年10月1日
    東京 1,163 1,113 令和6年10月1日
    神奈川 1,162 1,112 令和6年10月1日

     

     

    最低賃金の適用される労働者の範囲

     

    地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に適用されます。(パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託などの雇用形態や呼称の如何を問わず、すべての労働者に適用されます。)

     

     

    最低賃金の対象とならない賃金

     

    ①臨時に支払われる賃金(結婚手当等)

    ②1箇月を超える毎に支払われる賃金(賞与等)

    ③所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金)

    ④所定労働日以外の労働日に対して支払われる賃金(休日割増賃金)

    ⑤午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金計算額を超える部分(深夜割増賃金等)

    ⑥精皆勤手当、通勤手当及び家族手当等

     

     

    最低賃金額以上かどうかを確認する方法

     

    支払われる賃金が最低賃金額以上となっているかどうかを調べるには、最低賃金の対象となる賃金額と適用される最低賃金額を以下の方法で比較します。

     

    ①時間給制の場合

    時間給≧最低賃金額(時間額)

     

    ②日給制の場合

    日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

    ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、

    日給≧最低賃金額(日額)

     

    ③月給制の場合

    月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

     

    ④出来高払制その他の請負制によって定められた賃金の場合

    出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を、当該賃金計算期間に出来高払制その他の請負制によって労働した総労働時間数で除して時間当たりの金額に換算し、最低賃金額(時間額)と比較します。

     

    ⑤上記①、②、③、④の組み合わせの場合

    例えば、基本給が日給制で、各手当(職務手当など)が月給制などの場合は、それぞれ上記②、③の式により時間額に換算し、それを合計したものと最低賃金額(時間額)を比較します。

     

     

    最低賃金以上の賃金額を支払わない場合の罰則

     

    最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。また、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。

     

     

    全国の地域別最低賃金等、詳細は厚生労働省のホームページをご覧ください。

    地域別最低賃金の全国一覧/厚生労働省

    最低賃金額以上かどうかを確認する方法/厚生労働省

  • 育児・介護休業法の改正について<②介護に関する改正編>

    2024年9月3日

    お役立ち情報

    令和6年5月31日公布の育児・介護休業法の改正について、前回の育児に関する改正(育児・介護休業法の改正について<①育児に関する改正編> (mycsr.or.jp))に続き、今回は介護に関する改正の概要について確認していきましょう。

     

    介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等として、改正される内容は次の5つです。

    1~4が事業主の義務5は事業主の努力義務です。

    また、施行日はいずれも令和7年4月1日です。

     

    <改正内容>

    1、介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置

    育児については令和4年4月1日施行の育児・介護休業法の改正にてすでに個別の周知・意向確認が事業主の義務になっています。
    今回の改正にて介護についても同様に、介護休業や両立支援制度についての個別周知・意向確認を面談・書面等の方法により行うことが事業主に義務づけられるものです。
    周知内容や方法等の詳細は、今後省令にて示されます。

     

    2、介護に直面する前の早い段階(40歳等)での両立支援制度等に関する情報提供

    1の個別の周知・意向確認は、介護に直面した本人から申し出があったタイミングで個別に行うものですが、これは、介護に直面するよりもっと前の早い段階から両立支援制度等に関する情報提供を行うことを事業主に義務づけるものです。
    また、両立支援制度等と同時に介護保険制度の内容を知ることが効果的であることから、介護保険制度についても併せて周知することが望ましいということが、指針案にて示されています。

     

    3、仕事と介護の両立支援制度を利用しやすい雇用環境の整備

    育児については令和4年4月1日施行の改正で既に義務になっていますが、今回の改正により介護についても、研修や相談窓口の設置等のいずれかを選択して措置を行うことが事業主に義務づけられるものです。
    詳細は今後省令で示されますが、省令案では、育児の雇用環境整備を踏襲した内容になっています。

     

    4、介護休暇について、引き続き雇用された期間が6か月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みを廃止

    現行法では、労使協定の締結により、勤続6か月未満の労働者と週の所定労働日数が2日以下の労働者は対象外とすることができましたが、今回の改正により、勤続6か月未満の労働者を対象外とすることができなくなります。
    週の所定労働日数が2日以下の労働者は引き続き労使協定で対象外とすることができますが、その場合は労使協定を修正し、再締結する必要があります。

     

    5、要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう事業主に努力義務

    現行法では、事業主は、家族を介護する労働者について、介護休業の制度もしくは介護休暇に関する制度又は所定労働時間の短縮等の措置に準じて、その介護を必要とする期間、回数等に配慮した必要な措置を講ずることが努力義務となっていますが、改正後は、労働者がテレワークを選択できるようにすることが努力義務に追加されます。

     

    ■施行日までの対応

    ・個別周知・意向確認の書面等の準備

    ・情報提供の書面等の準備

    ・雇用環境整備の内容の検討と準備

    ・就業規則等の変更・追加

    ・労使協定の修正及び再締結(労使協定で対象外を定める場合)

     

    今後、示される省令や指針の内容を注視し、令和7年4月1日の施行日までに準備をしていきましょう。

    また、施行日までの対応については、育児と介護を同時に進めていくとよいでしょう。

     

     

    詳細は、厚生労働省のホームページにてご確認ください。

    令和6年改正法の概要

    育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法改正のポイント

  • 短時間労働者に対する社会保険適用拡大(令和6年10月)

    2024年9月3日

    お役立ち情報

    平成28年10月から、特定適用事業所で働くパート・アルバイト等の短時間労働者が一定の要件を満たすことで、健康保険・厚生年金保険の被保険者となることとなりました。

    現在、厚生年金保険の被保険者数が101人以上の企業等で働く短時間労働者は、健康保険・厚生年金保険(社会保険)の加入対象となっています。

    この短時間労働者の加入要件がさらに拡大され、令和6年10月から厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等で働く短時間労働者の社会保険加入が義務化されます。

     

    令和6年10月からの改正点

     

    「特定適用事業所」の要件

    (変更前)被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時101人以上の事業所

    (変更後)被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時 51人以上の事業所

     

    1年のうち6月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業等のことを「特定適用事業所」といいます。

    適用拡大の対象となる可能性がある事業所には、日本年金機構から案内文書が発送されています。

     

    短時間労働者とは

     

    特定適用事業所に勤務する方で、1週間の所定労働時間または1月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満である方のうち、以下の要件にすべて該当する方が短時間労働者として社会保険の加入対象となります。

     

    ①週の所定労働時間が20時間以上であること

    ②所定内賃金が月額8.8万円以上であること

    ③継続して2ヶ月を超えて使用される見込みがあること

    ④学生でないこと

     

    事前準備を始めましょう!!

     

    特定適用事業所(令和6年10月以降新たに特定適用事業所に該当する事業所を含む)で、令和6年10月から新たに被保険者となる従業員がいる場合は「被保険者資格取得届」等の提出が必要です。

    事前に準備を始めましょう!!

     

    ①令和6年10月から新たに被保険者となる短時間労働者の把握

    ②令和6年10月から新たに被保険者となる従業員への説明

    ③令和6年10月以降の「資格取得届」の準備

     

    詳細は、日本年金機構ホームページでご確認ください。

    短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大/日本年金機構

  • 育児・介護休業法の改正について<①育児に関する改正編>

    2024年8月2日

    お役立ち情報

    男女ともに仕事と育児・介護をより両立しやすい環境の実現を目指し、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)及び次世代育成支援対策推進法(次世代法)の一部を改正する法律が令和6年5月31日に公布されました。

    また、同年6月12日には、子供・子育て支援法の一部を改正する法律が公布され、育児に関する給付等、雇用保険法の一部も改正になります。

    多くの改正が予定されていますが、まずは、育児に関する改正の概要について確認していきましょう。

     

    【1】子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充

     

    1、柔軟な働き方を実現するための措置等の義務化(施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日)

    3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者に対して、下記の項目から2以上を選択して措置することが事業主の義務となります。

    措置を選択する際には、過半数組合等(過半数組合がない場合は過半数代表者)からの意見聴取の機会を設ける必要があります。

    また、選択した措置については、子が3歳になるまでの適切な時期に個別の周知・意向確認を行います。

    労働者は、事業主が講じることとした2以上の措置の中から、一つを選択して利用することができるものです。

     

    <柔軟な働き方を実現するための措置の選択肢>※2つ以上を選択。

    ①始業時刻等の変更

    ②テレワーク等(10日/月)※原則時間単位で取得可とする。

    ③保育施設の設置運営等

    ④新たな休暇の付与(10日/年)※原則時間単位で取得可とする。

    ⑤短時間勤務制度

     

    2、所定外労働の制限の対象拡大(施行日:令和7年4月1日)

    現行法において、所定外労働の免除を請求できるのは、3歳に満たない子を養育する労働者とされていますが、改正後は、小学校就学前の子を養育する労働者までが請求可能範囲となります。

     

    3、子の看護休暇の見直し(施行日:令和7年4月1日)

    子の看護休暇の取得期間延長、取得事由の拡大、及び労使協定の締結により除外できる労働者の範囲の変更等により、より活用しやすい制度へ改正されます。 

            <改正前>              <改正後>

    (名称)子の看護休暇 (名称)子の看護休暇
    (対象となる子の範囲)

     小学校就学の始期に達するまで

    (対象となる子の範囲)

     小学校3年生修了まで

    (取得事由)

    ・病気・けが

    ・予防接種・健康診断

    (取得事由)

     ※下記事由が追加されます。(詳細は省令)

    ・感染症に伴う臨時休業・学級閉鎖等

    ・入園(入学)式、卒園式等の行事参加

    (労使協定の締結により除外できる労働者)

     ・引き続き雇用された期間が6か月未満

     ・週の所定労働日数が2日以下

    (労使協定の締結により除外できる労働者)

    ・週の所定労働日数が2日以下

    (※「引き続き雇用された期間が6か月未満」

    の要件は廃止)

     

    4、育児のためのテレワークの導入の努力義務化(施行日:令和7年4月1日)

    3歳に満たない子を養育する労働者が、テレワークを選択できるように措置を講ずることが努力義務になります。

    現行法では、小学校就学始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、①育児の目的のために使用できる休暇制度を与えるための措置及び子の年齢に応じて、②育児休業又はそれに準ずる措置、③始業時刻の変更等※の措置が努力義務になっていますが、今回の改正により、④「テレワーク」が追加されました。

     

    <※③始業時刻の変更等の措置とは>

    ・フレックスタイム制度

    ・始業・終業時間の繰上げ、繰下げ制度(時差出勤)

    ・保育施設の設置運営、その他これに準ずる便宜の供与

     

    5、育児短時間勤務の代替措置に「テレワーク」の追加(施行日:令和7月4月1日)

    現行法において、3歳に満たない子を養育する労働者が希望する場合、短時間勤務制度(1日の所定労働時間を6時間に短縮)を適用させることが義務付けられていますが、業務の性質上、短時間勤務制度を講じることが困難と認められる業務に従事する労働者として労使協定により適用除外された労働者に関して、①育児休業に関する制度に準ずる措置又は②始業時刻の変更等※の代替措置を講じなければならないとされています。

    今回の改正により、従来の代替措置に加え、「テレワーク」が追加されます。

     

    <※②始業時刻の変更等の代替措置とは>

    ・フレックスタイム制度

    ・始業・終業時間の繰上げ、繰下げ制度(時差出勤)

    ・保育施設の設置運営、その他これに準ずる便宜の供与

     

     

    【2】労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向の聴取・配慮等の新設

     

    6、労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮の義務化(施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日)

    令和4年4月1日の改正により、労働者から妊娠・出産の申出があった際には育児休業等の制度について個別の周知及び意向確認をすることが義務づけられていますが、今回の改正は、それに加えて、妊娠、出産の申出時や子が3歳になるまでの適切な時期に、就業条件等について労働者の意向を聴取し、またその意向に対して事業主が配慮をすることを義務付けるものです。

    労働者の意向に配慮することで、離職を防ぎ、労働者が仕事と育児を両立しやすくなることを目的としています。

     

    ■個別周知・意向確認、及び意向の聴取と配慮等のタイミングや内容について 

     

    ~労働者からの妊娠・出産の申出時~

     

    ①育児休業制度の個別周知・意向確認(令和4年4月1日施行済。産後パパ育休については令和4年10月1日から対象)

    ※個別周知事項

    ・育児休業・産後パパ育休に関する制度

    ・育児休業・産後パパ育休の申出先

    ・育児休業給付に関すること

    ・労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取扱い

    ※意向確認と方法

    休業の取得についての意向を、面談、書面交付等の方法により確認する。

     

    ②個別の意向の聴取と配慮(今回の改正による)

    ※意向の聴取(子や各家庭の状況により両立が困難になる場合もあるため、両立するために必要な労働者の意向を確認すること。)

    例:勤務時間帯、勤務地、両立支援制度の利用期間の希望等

    聴取の方法は、今後、省令により面談や書面交付等とされる予定。

    ※意向の配慮(意向を確認したあとは、自社の状況に応じ、意向に配慮すること。)

    例:配置、業務量の調整、両立支援制度の利用期間等の見直し、労働条件の見直し等

     

    ~3歳になるまでの適切な時期~

     

    ①柔軟な働き方を実現するための措置の個別周知・意向確認(今回の改正による)

    ※柔軟な働き方として講ずる措置の制度の説明及び利用の意向を確認する。

    ※個別周知・確認の方法は、今後、省令により面談や書面交付とされる予定。

     

    ②個別の意向の聴取と配慮(今回の改正による)

    ※<労働者からの妊娠・出産の申出時>の②と同様。

     

    柔軟な働き方を実現するための措置の個別周知・意向確認や仕事と育児の両立に関する個別の意向の聴取は、妊娠・出産の申出時、3歳になるまでの適切な時期だけに限らず、育児休業からの復職時や両立支援制度の利用期間中等、定期的に実施することが望ましいとされています。

     

     

    7、育児休業取得状況の公表義務が300人超の企業に拡大(施行日:令和7年4月1日)

    令和5年4月1日の改正により現行法では、従業員1000人超の会社に、育児休業等の取得状況の公表が義務付けられていますが、今回の改正により従業員300人超の企業に、公表が義務付けられます。

     

     

    まとめ

     

    今回の改正により、概ね次のような対応が必要になります。

    ・柔軟な働き方を実現するための措置の検討。

    ・措置について、過半数組合又は過半数代表者からの意見聴取。

    ・改正に対応した個別周知、意向確認や個別の意見聴取・配慮等の説明に使用する書面の準備。

    ・就業規則の変更・追加

    ・労使協定の再締結(労使協定で対象外とできる労働者について定める場合)

     

    今後、省令等で更に詳細がでてくると思いますので、内容に注視し、実務の対応にいかしていきましょう。

    施行日までにはまだ時間がありますが、今のうちから制度について理解を深め、対応すべき事項について早めに準備していくと良いでしょう。

     

     

    詳細は、厚生労働省のホームページをご確認下さい。

    令和6年改正法の概要/厚生労働省

    育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法改正のポイント/厚生労働省

  • 賞与支払届の提出

    2024年8月2日

    お役立ち情報

    夏の賞与が支払われる時期になりました。

     

    社会保険に加入している場合、被保険者や70歳以上被用者へ賞与を支給した時は、支給日から5日以内に、各都道府県にある事務センター(もしくは所在地を管轄する年金事務所)に「被保険者賞与支払届」の提出が必要です。

    この届出を基に、納付する保険料額や、被保険者が将来受け取る年金額等の計算の基礎となる「標準賞与額」を決定するので、忘れないようにご注意ください。

     

    また、日本年金機構に登録している賞与支払予定月に賞与を支給しなかった場合は、「賞与不支給報告書」の提出が必要です。

     

    日本年金機構に登録している賞与支払予定月に「被保険者賞与支払届」または「賞与不支給報告書」の提出が確認できない場合、日本年金機構より届出未提出の案内が届きます。

     

     

    標準賞与額の対象となるもの

     

    夏期賞与・冬期賞与・決算賞与等の「賞与」という名称であるかを問わず、支給した手当等が賞与の対象となって「被保険者賞与支払届」の提出が必要な場合があります。

    大丈夫だと思って給与に含んで支給した手当が、年金事務所の調査で賞与支払届の対象と判断され指摘されることもありますのでご注意ください。

     

    賞与の対象となるもの

    <金銭によるもの>

    ○賞与・ボーナス・期末手当・決算手当・夏期手当・冬期手当・繁忙手当・年末一時金・期末一時金など賞与性のもので年に3回以下支給されるもの

    ○その他定期的に支給されるものでなくとも一時的に支給されるもの

    <現物によるもの>

    ○賞与等として自社製品など金銭以外で支給されるもの(金銭に換算)

     

    賞与の対象とならないもの

    ○年4回以上支給される賞与(この場合は「賞与に係る報酬(標準賞与額の対象)」になります)

    ○結婚祝金など、労働の対償とならないもの

     

     

    詳細は、日本年金機構のホームページでご確認下さい。

    従業員に賞与を支給したときの手続き/日本年金機構

    賞与を支給したとき、賞与支払予定月に賞与が不支給のとき/日本年金機構

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