年収130万円の壁
2023年12月4日
人手不足への対応が急務となる中で、短時間労働者(パート・アルバイト))が「年収の壁」を意識せず働くことができる環境づくりを支援するため、当面の対応として年収の壁・支援強化パッケージが発表されました。
社会全体で労働力を確保するとともに、労働者自身も希望どおり働くことのできる環境づくりを後押しするため、今回の対応はあくまでも当面の措置として導入するものであり、今後、さらに制度の見直しに取り組むこととしています。
年収130万円の壁とは
社会保険の被保険者数が常時100人以下の事業所で勤務する短時間労働者(パート・アルバイト)などの場合は、年収 130 万円以上(60歳以上や障害者は180万円以上)になると、国民年金・国民健康保険に加入するか、いずれかの形で、被扶養者(第3号被保険者)でなくなり、社会保険料の負担が発生することになります。
年収130万円の壁への対応
年収130万円以上になると、国民年金・国民健康保険の保険料支払いにより手取り収入が減ってしまうため、人手不足や繁忙期で仕事はあるのに、働く時間を調整している方がいます。
働く時間を延ばすなどにより一時的に収入が増加して、年収130万円以上(60歳以上や障害者は180万円以上)になってしまっても、事業主がその旨を証明することで、引き続き扶養に入り続けることが可能となる仕組みが出来ました。
<一時的な収入増加とは>
職場の人手不足や繁忙期に対応するために、働く時間を延ばしたことなどによる時間外勤務(残業)手当や、臨時的に支払われる繁忙手当等が一時的な収入増加の対象となります。
基本給が上がった場合や勤務形態の変更、恒常的な手当が新設された場合など、今後も引き続き収入が増えることが確実な場合においては、一時的な収入増加とは認められません。
<いつから開始されるのか>
令和5年10月20日以降の、被扶養者認定及び被扶養者の資格確認において適用します。
<事業主の証明について>
被扶養者の方について、新たに被扶養者の認定を受ける際、又は健康保険組合等の保険者が被扶養者の資格確認を行う際に、年間収入が確認されます。
この際に、被扶養者の勤務先の事業主から一時的な収入増加である旨の事業主の証明を取得し、被保険者の方が勤務している会社を通じて保険者に提出することになります。
このため、保険者の被扶養者の収入確認のタイミングに合わせて、被扶養者の勤務先の事業主から一時的な収入変動である旨の証明を取得してください。
様式は、厚生労働省のホームページに掲載されています。
<連続2回まで>
今回の「事業主の証明による被扶養者認定」は、あくまでも「一時的な事情」として行うことから、同一の者について原則として連続2回までを上限とすることとされています。
被扶養者の資格確認を年1回実施していることを想定し、「連続2回」すなわち、連続する2年間の各年における資格確認において事業主の証明を用いることができることとしています。
年1回と異なる頻度で被扶養者の資格確認を行っている保険者においては、どの期間について一時的な収入増加に係る事業主の証明を取得する必要があるか、ご加入の保険者に認してください。
もちろん、被扶養者になっている方が勤務先で社会保険加入要件を満たした場合は、扶養から外れて社会保険に加入することになります。
その他詳細は、厚生労働省のホームページでご確認ください。