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育児・介護休業法の改正について<②介護に関する改正編>

2024年9月3日

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令和6年5月31日交付の育児・介護休業法の改正について、前回の育児に関する改正(育児・介護休業法の改正について<①育児に関する改正編> (mycsr.or.jp))に続き、今回は介護に関する改正の概要について確認していきましょう。

 

介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等として、改正される内容は次の5つです。

1~4が事業主の義務5は事業主の努力義務です。

また、施行日はいずれも令和7年4月1日です。

 

<改正内容>

1、介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置

育児については令和4年4月1日施行の育児・介護休業法の改正にてすでに個別の周知・意向確認が事業主の義務になっています。
今回の改正にて介護についても同様に、介護休業や両立支援制度についての個別周知・意向確認を面談・書面等の方法により行うことが事業主に義務づけられるものです。
周知内容や方法等の詳細は、今後省令にて示されます。

 

2、介護に直面する前の早い段階(40歳等)での両立支援制度等に関する情報提供

1の個別の周知・意向確認は、介護に直面した本人から申し出があったタイミングで個別に行うものですが、これは、介護に直面するよりもっと前の早い段階から両立支援制度等に関する情報提供を行うことを事業主に義務づけるものです。
また、両立支援制度等と同時に介護保険制度の内容を知ることが効果的であることから、介護保険制度についても併せて周知することが望ましいということが、指針案にて示されています。

 

3、仕事と介護の両立支援制度を利用しやすい雇用環境の整備

育児については令和4年4月1日施行の改正で既に義務になっていますが、今回の改正により介護についても、研修や相談窓口の設置等のいずれかを選択して措置を行うことが事業主に義務づけられるものです。
詳細は今後省令で示されますが、省令案では、育児の雇用環境整備を踏襲した内容になっています。

 

4、介護休暇について、引き続き雇用された期間が6か月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みを廃止

現行法では、労使協定の締結により、勤続6か月未満の労働者と週の所定労働日数が2日以下の労働者は対象外とすることができましたが、今回の改正により、勤続6か月未満の労働者を対象外とすることができなくなります。
週の所定労働日数が2日以下の労働者は引き続き労使協定で対象外とすることができますが、その場合は労使協定を修正し、再締結する必要があります。

 

5、要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう事業主に努力義務

現行法では、事業主は、家族を介護する労働者について、介護休業の制度もしくは介護休暇に関する制度又は所定労働時間の短縮等の措置に準じて、その介護を必要とする期間、回数等に配慮した必要な措置を講ずることが努力義務となっていますが、改正後は、労働者がテレワークを選択できるようにすることが努力義務に追加されます。

 

■施行日までの対応

・個別周知・意向確認の書面等の準備

・情報提供の書面等の準備

・雇用環境整備の内容の検討と準備

・就業規則等の変更・追加

・労使協定の修正及び再締結(労使協定で対象外を定める場合)

 

今後、示される省令や指針の内容を注視し、令和7年4月1日の施行日までに準備をしていきましょう。

また、施行日までの対応については、育児と介護を同時に進めていくとよいでしょう。

 

 

詳細は、厚生労働省のホームページにてご確認ください。

令和6年改正法の概要

育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法改正のポイント

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