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育児・介護休業法の改正について<①育児に関する改正編>
2024年8月2日
男女ともに仕事と育児・介護をより両立しやすい環境の実現を目指し、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)及び次世代育成支援対策推進法(次世代法)の一部を改正する法律が令和6年5月31日に公布されました。
また、同年6月12日には、子供・子育て支援法の一部を改正する法律が公布され、育児に関する給付等、雇用保険法の一部も改正になります。
多くの改正が予定されていますが、まずは、育児に関する改正の概要について確認していきましょう。
【1】子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充
1、柔軟な働き方を実現するための措置等の義務化(施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日)
3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者に対して、下記の項目から2以上を選択して措置することが事業主の義務となります。
措置を選択する際には、過半数組合等(過半数組合がない場合は過半数代表者)からの意見聴取の機会を設ける必要があります。
また、選択した措置については、子が3歳になるまでの適切な時期に個別の周知・意向確認を行います。
労働者は、事業主が講じることとした2以上の措置の中から、一つを選択して利用することができるものです。
<柔軟な働き方を実現するための措置の選択肢>※2つ以上を選択。
①始業時刻等の変更
②テレワーク等(10日/月)※原則時間単位で取得可とする。
③保育施設の設置運営等
④新たな休暇の付与(10日/年)※原則時間単位で取得可とする。
⑤短時間勤務制度
2、所定外労働の制限の対象拡大(施行日:令和7年4月1日)
現行法において、所定外労働の免除を請求できるのは、3歳に満たない子を養育する労働者とされていますが、改正後は、小学校就学前の子を養育する労働者までが請求可能範囲となります。
3、子の看護休暇の見直し(施行日:令和7年4月1日)
子の看護休暇の取得期間延長、取得事由の拡大、及び労使協定の締結により除外できる労働者の範囲の変更等により、より活用しやすい制度へ改正されます。
<改正前> <改正後>
(名称)子の看護休暇 (名称)子の看護等休暇 (対象となる子の範囲) 小学校就学の始期に達するまで
(対象となる子の範囲) 小学校3年生修了まで
(取得事由) ・病気・けが
・予防接種・健康診断
(取得事由) ※下記事由が追加されます。(詳細は省令)
・感染症に伴う臨時休業・学級閉鎖等
・入園(入学)式、卒園式等の行事参加
(労使協定の締結により除外できる労働者) ・引き続き雇用された期間が6か月未満
・週の所定労働日数が2日以下
(労使協定の締結により除外できる労働者) ・週の所定労働日数が2日以下
(※「引き続き雇用された期間が6か月未満」
の要件は廃止)
4、育児のためのテレワークの導入の努力義務化(施行日:令和7年4月1日)
3歳に満たない子を養育する労働者が、テレワークを選択できるように措置を講ずることが努力義務になります。
現行法では、小学校就学始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、①育児の目的のために使用できる休暇制度を与えるための措置及び子の年齢に応じて、②育児休業又はそれに準ずる措置、③始業時刻の変更等※の措置が努力義務になっていますが、今回の改正により、④「テレワーク」が追加されました。
<※③始業時刻の変更等の措置とは>
・フレックスタイム制度
・始業・終業時間の繰上げ、繰下げ制度(時差出勤)
・保育施設の設置運営、その他これに準ずる便宜の供与
5、育児短時間勤務の代替措置に「テレワーク」の追加(施行日:令和7月4月1日)
現行法において、3歳に満たない子を養育する労働者が希望する場合、短時間勤務制度(1日の所定労働時間を6時間に短縮)を適用させることが義務付けられていますが、業務の性質上、短時間勤務制度を講じることが困難と認められる業務に従事する労働者として労使協定により適用除外された労働者に関して、①育児休業に関する制度に準ずる措置又は②始業時刻の変更等※の代替措置を講じなければならないとされています。
今回の改正により、従来の代替措置に加え、「テレワーク」が追加されます。
<※②始業時刻の変更等の代替措置とは>
・フレックスタイム制度
・始業・終業時間の繰上げ、繰下げ制度(時差出勤)
・保育施設の設置運営、その他これに準ずる便宜の供与
【2】労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向の聴取・配慮等の新設
6、労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮の義務化(施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日)
令和4年4月1日の改正により、労働者から妊娠・出産の申出があった際には育児休業等の制度について個別の周知及び意向確認をすることが義務づけられていますが、今回の改正は、それに加えて、妊娠、出産の申出時や子が3歳になるまでの適切な時期に、就業条件等について労働者の意向を聴取し、またその意向に対して事業主が配慮をすることを義務付けるものです。
労働者の意向に配慮することで、離職を防ぎ、労働者が仕事と育児を両立しやすくなることを目的としています。
■個別周知・意向確認、及び意向の聴取と配慮等のタイミングや内容について
~労働者からの妊娠・出産の申出時~
①育児休業制度の個別周知・意向確認(令和4年4月1日施行済。産後パパ育休については令和4年10月1日から対象)
※個別周知事項
・育児休業・産後パパ育休に関する制度
・育児休業・産後パパ育休の申出先
・育児休業給付に関すること
・労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取扱い
※意向確認と方法
休業の取得についての意向を、面談、書面交付等の方法により確認する。
②個別の意向の聴取と配慮(今回の改正による)
※意向の聴取(子や各家庭の状況により両立が困難になる場合もあるため、両立するために必要な労働者の意向を確認すること。)
例:勤務時間帯、勤務地、両立支援制度の利用期間の希望等
聴取の方法は、今後、省令により面談や書面交付等とされる予定。
※意向の配慮(意向を確認したあとは、自社の状況に応じ、意向に配慮すること。)
例:配置、業務量の調整、両立支援制度の利用期間等の見直し、労働条件の見直し等
~3歳になるまでの適切な時期~
①柔軟な働き方を実現するための措置の個別周知・意向確認(今回の改正による)
※柔軟な働き方として講ずる措置の制度の説明及び利用の意向を確認する。
※個別周知・確認の方法は、今後、省令により面談や書面交付とされる予定。
②個別の意向の聴取と配慮(今回の改正による)
※<労働者からの妊娠・出産の申出時>の②と同様。
柔軟な働き方を実現するための措置の個別周知・意向確認や仕事と育児の両立に関する個別の意向の聴取は、妊娠・出産の申出時、3歳になるまでの適切な時期だけに限らず、育児休業からの復職時や両立支援制度の利用期間中等、定期的に実施することが望ましいとされています。
7、育児休業取得状況の公表義務が300人超の企業に拡大(施行日:令和7年4月1日)
令和5年4月1日の改正により現行法では、従業員1000人超の会社に、育児休業等の取得状況の公表が義務付けられていますが、今回の改正により従業員300人超の企業に、公表が義務付けられます。
まとめ
今回の改正により、概ね次のような対応が必要になります。
・柔軟な働き方を実現するための措置の検討。
・措置について、過半数組合又は過半数代表者からの意見聴取。
・改正に対応した個別周知、意向確認や個別の意見聴取・配慮等の説明に使用する書面の準備。
・就業規則の変更・追加
・労使協定の再締結(労使協定で対象外とできる労働者について定める場合)
今後、省令等で更に詳細がでてくると思いますので、内容に注視し、実務の対応にいかしていきましょう。
施行日までにはまだ時間がありますが、今のうちから制度について理解を深め、対応すべき事項について早めに準備していくと良いでしょう。
詳細は、厚生労働省のホームページをご確認下さい。
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賞与支払届の提出
2024年8月2日
夏の賞与が支払われる時期になりました。
社会保険に加入している場合、被保険者や70歳以上被用者へ賞与を支給した時は、支給日から5日以内に、各都道府県にある事務センター(もしくは所在地を管轄する年金事務所)に「被保険者賞与支払届」の提出が必要です。
この届出を基に、納付する保険料額や、被保険者が将来受け取る年金額等の計算の基礎となる「標準賞与額」を決定するので、忘れないようにご注意ください。
また、日本年金機構に登録している賞与支払予定月に賞与を支給しなかった場合は、「賞与不支給報告書」の提出が必要です。
日本年金機構に登録している賞与支払予定月に「被保険者賞与支払届」または「賞与不支給報告書」の提出が確認できない場合、日本年金機構より届出未提出の案内が届きます。
標準賞与額の対象となるもの
夏期賞与・冬期賞与・決算賞与等の「賞与」という名称であるかを問わず、支給した手当等が賞与の対象となって「被保険者賞与支払届」の提出が必要な場合があります。
大丈夫だと思って給与に含んで支給した手当が、年金事務所の調査で賞与支払届の対象と判断され指摘されることもありますのでご注意ください。
賞与の対象となるもの
<金銭によるもの>
○賞与・ボーナス・期末手当・決算手当・夏期手当・冬期手当・繁忙手当・年末一時金・期末一時金など賞与性のもので年に3回以下支給されるもの
○その他定期的に支給されるものでなくとも一時的に支給されるもの
<現物によるもの>
○賞与等として自社製品など金銭以外で支給されるもの(金銭に換算)
賞与の対象とならないもの
○年4回以上支給される賞与(この場合は「賞与に係る報酬(標準賞与額の対象)」になります)
○結婚祝金など、労働の対償とならないもの
詳細は、日本年金機構のホームページでご確認下さい。
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法定帳簿を適正に作成・保存していますか?
2024年7月2日
労働者を雇用する事業主には、作成・保存義務が課されている法定帳簿があります。
労働者名簿、賃金台帳、出勤簿の3帳簿に加え、平成31年4月からは、有給休暇管理簿の作成・保存も必要なっています。
労務管理の基本ともいえる法定帳簿ですが、正しく運用できているでしょうか。
1、労働者名簿(労働基準第107条)
労働者名簿は、各事業場ごとに、各労働者(日々雇入れられる者を除く。)について調整しなければなりません。
また、記入すべき事項に変更があった場合においては、遅滞なく訂正しなければなりません。
<記載項目>
①労働者氏名 ②生年月日 ③履歴(異動や昇進等の社内における履歴) ④性別 ⑤住所 ⑥従事する業務の種類 ⑦雇入れ年月日 ⑧退職や死亡の年月日(解雇の場合はその理由及び死亡の場合はその原因を含む)
<保存期間と起算日>
労働者の死亡・退職・解雇の日から起算して5年(当面の間は3年)
<Check>
●記載項目を網羅していますか?
●入社後の変更について訂正をしていますか?
●退職者の労働者名簿を退職後すぐに廃棄していませんか?
2、賃金台帳(労働基準法第108条)
賃金台帳は、各事業場ごとに調整し、各労働者ごとに、賃金支払いの都度、遅滞なく記入しなければなりません。
<記載項目>
①労働者氏名 ②性別 ③賃金の計算期間 ④労働日数 ⑤労働時間数 ⑥時間外労働時間数 ⑦深夜労働時間数 ⑧休日労働時間数 ⑨基本給や手当等の種類と額 ⑩控除項目と額
<保存期間と起算日>
労働者の最後の賃金について記入した日から5年(当面の間は3年)
※但し、当該記録した日より、当該記録にかかる賃金の支払日が遅い場合は、賃金支払日が起算日になります。
<Check>
●給与明細の作成だけで終わっていませんか?給与明細は賃金台帳の代わりにはなりません。
●記載項目について網羅していますか?(特に、性別及び上記④~⑧の労働時間等に関する記載項目について記載が漏れがちのため注意が必要です。)
3、出勤簿等(労働基準法第108条関係)
使用者には労働者の労働日ごとの労働時間を適正に把握する責務があります。
出勤簿やタイムレコーダー等の記録、使用者が自ら始業・終業時刻を記録した書類、残業命令書及びその報告書、労働者が記録した労働時間報告書等の書類を保存しなければなりません。
<記載事項>
氏名、出勤日、出勤日ごとの始業・終業の時間、休憩時間、残業時間等
<保存期間と起算日>
労働者の最後の出勤日から5年(当面の間は3年)
※但し、当該日より、賃金の支払日が遅い場合は、賃金支払日が起算日になります。
<Check>
●始業・終業の時刻及び休憩時間等が記録されていますか?
●出勤簿等の内容と賃金計算及び賃金台帳の記録内容が一致していますか?
4、年次有給休暇管理簿(労働基準法施行規則第24条の7)
年次有給休暇管理簿は、労働者毎に作成する必要があります。労働者名簿又は賃金台帳と合わせて調整することもできます。
<記載項目>
①時季(実際に有給休暇を取得した日) ②基準日(有給休暇の付与日) ③日数(基準日から1年間に労働者が取得した日数)
<保存期間と起算日>
有給休暇を与えた期間中及び当該期間の満了後5年(当面の間は3年)
<Check>
●記載項目を網羅したものを作成していますか?(特に、実際の取得日について記載が漏れがちのため注意が必要です。)
これらの帳簿は、事業の種類、法人・個人の別、従業員数等に関係なく労働者を雇用した全ての使用者に作成、保存の義務があります。
いずれの帳簿にも保存期間が定められていますので、保存期間が経過する前に廃棄することはできません。
また、労働者名簿及び賃金台帳は企業単位ではなく各事業場単位での調整(備え付け)が必要であることに注意が必要です。
帳簿類は厚生労働省のホームページからもダウンロードできますが、記載項目を網羅していれば書式は自由ですので、必ずしも同じ書式である必要はありません。
これらの4帳簿は、労働基準監督署の調査でも求められることが多く、不備については行政指導の対象になる場合があります。
また年次有給休暇管理簿を除く3帳簿については、義務違反に対して罰則が適用される可能性もあります。
この機会に自社の帳簿類の作成や保存が適正に行われているか等、確認してみてはいかがでしょうか。
詳細は、下記ホームページをご参照ください。
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社会保険 算定基礎届の提出
2024年7月2日
社会保険算定基礎届(定時決定)の提出の時期になりました。
期間内に、日本年金機構へ提出してください。
提出期間 : 令和6年7月1日(月)から7月10日(水)まで
< 定時決定とは >
〇健康保険及び厚生年金保険の被保険者及び70歳以上被用者の実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が生じないように、7月1日現在で使用している全ての被保険者及び70歳以上被用者に4・5・6月に支払った賃金を、「算定基礎届」によって届出し、厚生労働大臣は、この届出内容に基づき、毎年1回標準報酬月額を決定します。
これを定時決定といいます。
〇「算定基礎届」により決定された標準報酬月額は、原則1年間(9月から翌年8月まで)の各月に適用され、納付する保険料の計算や将来受け取る年金額等の計算の基礎となります。
〇届出書類や案内文書が、事業主宛に6月上旬頃から日本年金機構より発送されます。
電子申請 または 同封されている返信用封筒にて事務センターへ郵送して下さい。
< 留意点 >
〇算定基礎届の提出の対象となるのは、7月1日現在の全ての被保険者及び70歳以上被用者です。
ただし、以下の(1)~(3)のいずれかに該当する方は算定基礎届の提出が不要です。
(1)6月1日以降に資格取得した方
(2)6月30日以前に退職した方
(3)7月、8月、9月随時改定の月額変更届を提出する方
〇報酬とは「労働の対償」として受けるものが報酬となります。
基本給だけでなく各種手当や通勤定期券(非課税分含む)も含まれますが、出張旅費、解雇予告手当、退職手当、臨時に受けるもの、3ヵ月を超える期間ごとに受けるものは除きます。
詳細については日本年金機構のホームページでご確認ください。
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令和6年度 障害者の法定雇用率引き上げと変更点について
2024年6月4日
従業員が一定数以上いる規模の事業主には、障害者を雇用する義務が課せられるとともに、毎年6月1日時点での障害者雇用の状況をハローワークへ報告する義務があります。
仮に障害者雇用が0人であってもその事実を報告しなければなりません。
障害者雇用状況報告書の届出時期となりますので、令和6年度の障害者雇用の変更点等について確認していきましょう。
1、法定雇用率の引き上げ
障害者の法定雇用率が、令和6年4月以降2.5%へ引き上げられました。(令和5年度は2.3%)
これにより、企業全体の常用雇用労働者数(除外率により除外すべき労働者を控除した数)が40.0人以上の事業主に、障害者の雇用義務が生じることになります。
※40.0人のカウントの仕方
週30時間以上の常用雇用労働者を1人カウント、週20時間以上30時間未満の短時間労働者を0.5カウントとします。(週10時間以上20時間未満の特定短時間労働者は計算に含めません。)
<計算例>
■常用雇用労働者30名、短時間労働者10名の場合
30名+10名×0.5×2.5%=0.875
端数切捨ての為0人となり、障害者を雇用する義務はありません。
■常用雇用労働者40名、短時間労働者10名の場合
40名+10名×0.5×2.5%=1.125
端数切捨ての為1人となり、1名以上の障害者を雇用する義務があります。
2、除外率について
除外率は令和7年4月以降、除外率設定業種ごとにそれぞれ10ポイント引き下げられます。(現在除外率が10%以下の業種は除外率制度の対象外になります。)
令和6年度の除外率はこれまでと変更はありません。
3、障害者の算定方法の変更
① 精神障害者(精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方)の算定特例の延長
平成30年4月1日より、精神障害者の職場定着を進める観点から精神障害者である短時間労働者(週20時間以上30時間未満)の実雇用率の算定について、令和4年度末まで1人としてカウントする特例措置が設けられていました。
令和5年4月以降もこの特例が延長され令和6年度についても継続されています。
② 令和6年4月1日以降、※特定短時間労働者である障害者の一部について、雇用率へ算定できるようになります。
障害者雇用率の算定にあたり、分母である常用雇用労働者には特定短時間労働者数は含めませんが、分子である常用雇用障害者としては、重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者である特定短時間労働者について、一人の雇用に対して0.5人として算定することができるようになります。(就労継続支援A型の利用の利用者を除く)
※特定短時間労働者とは…
短時間労働者のうち、1週間の所定労働時間が10時間以上20時間未満である労働者をいいます。
■常用雇用労働者である障害者のカウント方法(対象となる障害者を1人雇用している場合のカウント数)
週所定労働時間 30時間以上 20時間以上 30時間未満
10時間以上 20時間未満
身体障害者 1 0.5 ― 身体障害者重度 2 1 0.5…上記② 知的障害者 1 0.5 ― 知的障害者重度 2 1 0.5…上記② 精神障害者 1 1…上記① 0.5…上記② その他、障害者雇用支援強化を目的とし、令和6年4月以降、助成金の新設や拡充も図られます。
上記の変更点を踏まえて、自社における障害者雇用義務の有無及び達成状況を確認しましょう。
障害者雇用率は令和8年7月には2.7%に引き上げられることも決定しています。
その場合は常用雇用労働者が37.5人以上の事業主に障害者雇用の義務が生じることになります。
障害者雇用の義務がある事業主は、その義務を果たすべき対応が求められますし、今後の雇用率の改定により義務が生じてくる事業主については、雇入れの体制や環境作り等、早めに準備を進めていくことが重要だと思います。
また、障害者の雇入れや雇用管理等の責任者として、障害者雇用推進者を選任することも努力義務となっています。
このような選任をとおして、障害者雇用に対して責任をもって取り組んでいける体制を整えていくことも大切だと思います。
詳細は下記をご参照ください。
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令和6年 労働保険料の申告・納付
2024年6月4日
今年も、労働保険の年度更新の時期になりました。
今年の申告・納付期間は令和6年6月3日(月)~7月10日(水)です。
手続きが遅れると、政府が労働保険料・一般拠出金の額を決定し、さらに追徴金を課すことがありますのでご注意下さい。
年度更新とは
労働保険(労働者災害補償保険・雇用保険)は、新年度の概算保険料を納付するための申告・納付と、前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付の手続きが必要です。
この手続きを「年度更新」と言います。
保険料
労働保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間(保険年度といいます。)を単位とし、その間に支払われるすべての労働者の賃金総額に、業種ごとに定められた保険料を乗じて算定します。
賃金総額は、基本給だけでなく、通勤手当(非課税分含む)、各種手当、賞与等、労働の対償として支払うすべてのもので、税金や社会保険料等を控除する前の支払総額をいいます。
慶弔見舞金、出張旅費等の実費弁償、工具手当等の労働者が自己負担で用意した用具に対しての手当等は含まれません。
保険年度中に支払いが確定した賃金は、その保険年度に実際に支払われていなくとも算入してください。
3月1日~3月31日の給与を4月15日に支払っている場合、この給与は4月ではく3月として算入します。
元請により実施した工事がある建設業で、賃金総額が算定しがたい場合は、特例の計算方法により賃金総額とし、保険料を算定することができます。
【 請負金額(消費税除く)×労務比率=賃金総額 】
また、「一括有期事業総括表」と「一括有期事業報告書」もあわせて提出することになります。
申告書
年度更新の申告書は、事業主宛に5月末~6月初に労働局より発送されます。
申告書を作成し、期間内に①~③の方法で提出してください。
①管轄の都道府県労働局・労働基準監督署・金融機関の窓口 ②電子申請 ③管轄の労働局へ郵送
その他、詳細については厚生労働省のホームページでご確認ください。
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36協定の労働者代表の選出
2024年5月8日
~36協定締結において~
「労働者の過半数代表者の選出手続き」と「労働者への周知」を適正に行っていますか?
法定時間外の労働や法定休日に労働をさせる場合、その事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合と、労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者と、書面による協定を締結し、労働基準監督署へ届出しなければなりません。
この「労働者の過半数代表者」の選出手続きについて適正に行わずに締結した36協定は無効となり、せっかく届出をしていても、法定時間外の労働や法定休日の労働をさせることができないことになる為、注意が必要です。
また、労働基準監督署へ届け出た36協定は、労働者に周知しなければなりません。
1.36協定の労働者側の締結当事者
①事業場に使用されるすべての労働者(正社員に限らず、パート・アルバイト・出向社員等を含む)の過半数で組織する労働組合がある場合は、その労働組合が労働者側の締結当事者になります。※事業場に使用されるすべての労働者のうち、その労働組合の組合員数が50%を超えていることを確認する必要があります。
②事業場に過半数で組織する労働組合がない場合に限り、労働者の過半数代表者が労働者側の締結当事者になります。
※36協定を締結する事業場ごとに過半数代表者を選任します。
2.過半数代表者の要件と選出手続き(上記1の②の場合)
<過半数代表者の要件>
①事業場に使用されるすべての労働者(正社員に限らず、パート・アルバイト、出向社員等を含む)の過半数を代表していること。
②選出に当たっては、事業場に使用されるすべての労働者(正社員に限らず、パート・アルバイト、出向社員等を含む)が参加した民主的な手続きが取られていること。
③労働基準法第41条第2号に規定する管理監督者に該当しないこと。
<過半数代表者の選出手続き>
①選出に当たっては、事業場に使用される全ての労働者が参加する必要があります。
正社員だけでなく、パートやアルバイト、出向社員等も全て含める必要があることに注意が必要です。(時間外労働や休日労働を行う可能性の有無に関係なく)
②36協定の締結のための過半数代表者を選出することを明らかにしたうえで、選出手続きを行う必要があります。
③労働者の過半数がその人の選出を支持していることが明確になる民主的な手続き方法(投票、挙手、労働者同士の話し合い等)をとる必要があります。
※使用者の意向に基づき選出された者であってはなりません。
※労働基準法第41条第2号に規定する管理監督者は過半数代表者にはなれませんが、過半数労働者選出時の全労働者には含みます。
※雇用形態を問わず、事業場に使用されるすべての労働者は過半数代表者に立候補することができます。(管理監督者を除きます)
※立候補者がいない場合は推薦を受け、信任投票等を行うこともできますが、推薦にあたり使用者の意向が反映されたものであってはなりません。
※立候補者が1名であっても、複数名であっても1回の投票で過半数を得られない場合は、信任投票や決戦投票等により、事業場に使用されるすべての労働者の過半数の支持を得ていることを確認する必要があります。
※メールでの信任投票等において、返信がない場合は信任を得たとみなしたり、返信があった者だけの過半数の支持をもって過半数労働者とすること等は、労働者の過半数が支持していることが明確になるとはいえないため、適切ではないとされています。返信がない場合も必ず労働者の意思確認を行う必要があります。
※使用者は、労働者が過半数代表者であること若しくは過半数代表者になろうとしたこと又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取扱いをしないようにしなければならない。(労働基準法施行規則第6条の2第3項)
正社員のみが選出手続きに参加している、選出手続きの際に協定の目的等を明らかにしていない(労働者は何の協定の過半数代表者を選出しようとしているのか把握していない)、そもそも労働者は選出手続きに参加せず、使用者が一方的に指名している、労働者の親睦会の幹事を自動的に選任している等は、適切な手続きを踏んでいないため、その協定は無効となります。
36協定の締結において、過半数代表者を適切に選任することは、非常に重要な要件となりますので注意が必要です。
※36協定に限らず、就業規則の制定・変更時や、労使で締結する様々な労使協定において、過半数代表者の選出手続きは共通するものになります。(36協定において管理監督者は過半数代表者になれませんが、管理監督者しかいない事業場において、管理監督者が過半数代表者になり得る協定もあります)
また、36協定は締結だけでなく、労働基準監督署への届出が効力の発生要件となります。労働基準監督署の受理日以降に効力が認められることになりますので、締結後は速やかに提出するようにしましょう。
3.労働者への周知義務
更に見落としがちなのは、36協定を労働基準監督署へ届出した後の、労働者への周知です。届出した36協定は、次のいずれかの方法にて労働者に周知しなければなりません。
①作業場の見やすい場所への掲示・備え付け
②文書の交付
③パソコン内にファイルを保存したり、社内イントラネットへ掲示する等、確認できる環境を整備し、かつ、各作業場に確認できるパソコン等の機器を設置すること
36協定を締結した際には、この周知義務までを確実に行うようにしてください。
※就業規則や36協定以外の各種労使協定も同様に周知義務があります。
自社での36協定の締結手続きにおいて、不足している要件がある場合や周知義務が不十分である場合は、この機会に見直し、適正に実施するようにしましょう。
詳細は下記をご参照ください。
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令和6年度 在職老齢年金制度の支給停止調整額が変更されました
2024年4月2日
令和6年4月より、
在職老齢年金制度の支給停止調整額が、
48万円から50万円に変更されました。■在職老齢年金制度とは…
働きながら(厚生年金に加入している又は加入義務の年齢を過ぎても加入要件を満たすような働き方をして給与等を得ている場合)老齢厚生年金を受けることができる人については、給与等(賞与含む)と老齢厚生年金の合計額(1か月当たり)が支給停止調整額を超える場合には、老齢厚生年金額について一部支給停止又は全額支給停止等の支給調整が行われます。
これを在職老齢年金制度といいます。
■支給停止調整額とは…
給与等(賞与含む)と老齢厚生年金の合計額(1か月当たり)がこの金額までなら支給停止なく全額支給されるという基準額のことを「支給停止調整額」といいます。
以前は60歳以上65歳未満と65歳以降では、支給停止調整額が異なっていましたが、令和4年4月の年金制度改正により、60歳以上65歳未満も65歳以上と同じ支給停止調整額に改正されていました。
この支給停止調整額は毎年4月に見直しがあり、令和6年度は、前年の48万円から50万円に変更されました。
■在職老齢年金制度による支給停止計算方法
給与等(賞与含む)の1か月あたりの額と老齢厚生年金の1か月あたりの額の合計が50万円以下であれば年金は支給停止なく全額支給され、50万円を超えた場合は、超えた額の半分が支給停止になります。
尚、老齢基礎年金は給与等に関係なく全額受給できます。
支給停止月額=(総報酬月額相当額…①+基本月額…②-支給停止調整額(令和6年度は50万円)÷2
<例1>
①総報酬月額相当額・・・50万円/月
②基本月額・・・・・・・14万円/月
支給停止月額=(50万円+14万円-50万円)÷2=7万円
7万円の老齢厚生年金が支給停止されます。
<例2>
①総報酬月額相当額・・・30万円/月
②基本月額・・・・・・・14万円/月
支給停止月額=30万円+14万円は44万と50万以下のため、支給停止はありません。
①総報酬月額相当額とは…
調整の対象となる月におけるその者の「標準報酬月額」と「その月以前1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額」を合算して得た額のことです。
※70歳以上の場合は、標準報酬月額に相当する額、標準賞与額に相当する額。
②基本月額とは…
老齢厚生年金(報酬比例部分)の年額(加給年金を除く)を12月で除して得た額のことです。(老齢基礎年金は支給調整の対象外です。)
■在職定時改定
令和4年4月の年金制度改正により、毎年9月1日に厚生年金に加入中の65歳以上70歳未満の老齢厚生年金受給権者について、前年9月から当年8月までの厚生年金保険加入期間を反映して、年金額を10月分(12月受取分)から改定する仕組みがとられています。
これにより原則として年金額が年に1度増額改定されるため、報酬等に増額がない場合でも在職老齢年金制度による支給停止額には影響が出る可能性があります。
老齢年金を受給していても、70歳までは加入要件を満たす場合は厚生年金に加入し保険料を納めなければなりませんが、その分年金は増えていくことになります。
また、70歳以降厚生年金の加入義務がなくなっても厚生年金の加入要件を満たすような働き方を継続している限りは、年齢の上限なく在職老齢年金制度による老齢厚生年金の支給調整は行われることになります。
在職老齢年金支給停止調整額は、毎年4月に改定されますが、ここ数年の推移は、令和4年度が47万、令和5年度が48万、そして令和6年度が50万となっています。
働いて給与等を得ている方が老齢厚生年金を受給できるようになった時や給与等を得ながら老齢厚生年金を受給している方が給与等を変更する場合等には、少なからず年金額への影響があるため、在職老齢年金制度をよく理解するとともに、毎年この時期は、支給停止調整額についても改定の有無をチェックするようにしましょう。
詳細は下記をご参照ください。